2025Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 31522 水 4 授業の目標・概要 皆さんの身の回りにあるモノ。これらモノを作るうえで欠かせないのが材料です。モノづくりでは,原子や元素から物質を創り,物質を材料や部品に加工し,製品を組立てます。材料とは材料科学・材料工学の知に基づき,物質に機能という新たな付加価値を与えたものです。自然界に存在している原料から使える材料に生まれ変わらせ,さらに加工する,そのような工程を担っているのが材料関連の産業であり,自動車や電化製品などの皆さんのもとに届く製造業において欠かすことのできないパートです。従来材料開発は10年以上の長期間が必要でしたが,近年の急速な科学技術の発達に追随するためには,材料開発の加速化が必要不可欠です。 本講義は,そのような材料開発研究における最先端について学びたいと思います。材料開発の加速化,最適化を可能にするアプローチとして,近年はAIを活用した研究が多くなされています。そのような情報工学的なアプローチをこれまで培われてきた材料科学・工学と融合させることで,構造材料,電子デバイス材料,医療用材料などの材料開発において何ができるのか,解説文などを題材にしながら,グループディスカッションを通じて考えていきたいと思います。 【 題材の例 】 1) 構造材料のマテリアルズインテグレーションシステム:近年,マテリアルズゲノムイニシアチブに端を発し,従来の実験,理論に基づいた材料開発ではなく,さらに計算,データを融合させた材料開発が全世界で開始され,日本でも進められています。特に日本が得意とする構造材料開発におけるシステムがマテリアルズインテグレーションシステムとよばれています。今まで10年,20年かかった材料開発を,AIなどを活用することによって数年で実現する,そのようなシステムについて調査します。 2) マテリアルテクノロジーと医療:ヒトの体の中で機能する材料・デバイス技術は、人工血管や心臓ペースメーカー等といった先端医療機器のキーテクノロジーです。近年、超小型電子デバイス(半導体チップ)技術を応用し、体内医療機器と人工知能(AI)を連携させる研究が世界的に進められています。デバイス・AIをヒトの体の中で機能させることは可能か?可能とするためには、どのような材料・設計・システムで作れば良いか?このような問いに対して、工学の側面から調査し、未来の医療技術について考えます。 【 授業の目標 】 学術論文の構成を知り,学術研究を行ううえでの基礎を身につけます。調査・研究とグループ討議や研究発表を通じ,学術的なコミュニケーション能力を身につけます。材料科学や情報科学を題材にしながら基礎研究と最先端技術との関連についての実例を学び,科学技術が社会にどのように関わり,貢献することができるのかを議論し,理解を深めます。 出席、最終レポート 成績評価方法 授業のキーワード 「論文読解型」、材料工学、情報工学、構造材料,金属、鉄鋼、医療材料、バイオマテリアル、体内医療機器、半導体技術、ブレインマシンインタフェース 教科書は使用しない。/Will not use textbook 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 教科書 ガイダンス 31523 水 4 授業の目標・概要 地球温暖化に伴う気候変動や人口増加、国際紛争など様々な要因によって、世界的な飢餓問題、食料難が深刻化しており、食資源確保は私たちが喫緊に取り組むべき課題である。本テーマでは、農林水産資源の過去から現在、さらには将来展望を見据えつつ、これからの農林水産業と食について考える。ここでは単に食料増産するだけではなく、「食品ロス」などの有機廃棄物をリサイクルする技術開発の可能性も考慮しつつ、持続可能な未来社会の姿を想像/創造する。 授業では履修者をランダムに5班に分け、グループワークで作業を進めていく。グループごとに自らテーマを設定し、情報収集と分析を行いながら議論を深め、未来社会に向けて独創性の高いアイデアやビジョンの提言に挑戦してもらいたい。その際には、単なる思いつきや願望を述べるのではなく、大学における“研究”であることを意識して、科学的に認められるために必要な手順の理解を重視する。また、グループワークによる共同での情報収集、議論の取りまとめ、自身の考えを表明するプレゼンテーション力等のスキルアップを図る。 初年次ゼミナール理科の評価方法に従って評価する。 成績評価方法 授業のキーワード 食資源の持続的利用、未来の農林水産業と食、気候変動と飢餓問題、資源リサイクル、農業経済学、水産資源教科書 ガイダンス 学 教科書は使用しない。/Will not use textbook 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 農林水産資源の持続的利用を考える AI支援による材料開発の最前線 南部 将一、竹原 宏明 中谷 朋昭、山川 卓 工学部 農学部

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