大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 日本の近代~現代に書かれた短篇小説を取上げ、小説テクスト分析の基本的な考え方および文学研究の基礎を実践的に学ぶ。扱う作品については、現時点では芥川龍之介「蜜柑」、内田百閒「道連」、江國香織「デューク」、開高健「玉、砕ける」、梶井基次郎「路上」、川端康成「白馬」(『掌の小説』より)、北杜夫「羽蟻のいる丘」、小泉八雲「雪おんな」、国木田独歩「疲労」、志賀直哉「真鶴」、太宰治「満願」、中島敦「名人伝」、星新一「ボッコちゃん」、夢野久作「瓶詰の地獄」などを予定しているが、学生からの希望があれば積極的に取入れつつ、最終的には授業の中で決定する。著名作からマイナーな作品まで様々な作品の読解を通して、これまでの国語とは異なる、創造的な読解の面白さを体感してほしい。 小説をアカデミックに読むとはどういうことか、中高の国語教育とはどう違うか、文学研究にはどのような楽しさがあり、それは教養としてどのような意味を持つのかなど、柔軟な発想力の涵養と研究方法の習得が本授業の第一目標である。 【学術分野】国文・漢文学 【授業形態】文献批評型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 初年次ゼミナール文科 31657 金 3 授業の目標・概要 【共通目標】 成績評価方法 授業のキーワード 短篇小説、明治文学、大正文学、昭和文学、日本近代文学、現代文学 教科書 ガイダンス 教科書は使用しない。/Will not use textbook 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 近現代日本の短篇小説を読む 出口 智之 国文・漢文学
元のページ ../index.html#59