1年 文科 理科 2年 文科 理科 時間割コード 全学体験ゼミナール 40305 S2 授業の目標概要 成績評価方法 教科書 ガイダンス 開講 続伊豆に学ぶ エネルギーの森温故知新の森林管理(材木ではない木の使い道) ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 【注意】この授業は開講日程の都合上、成績が所定の確認日より後に公開される見込みが高いので留意すること。特に2年生は本科目の成績が進学選択が可能となる条件に含まれない見込が高いので、履修にあたっては十分に注意すること。 【注意】本ゼミは千葉県にユーカリ苗の植林を実施します。リモート受講はできません。 ①我が国の一次エネルギー自給率は11%ほどでとても低い。これは何とかしたい重要な課題です。全方位でエネルギー自給率を上げる取り組みがなされるべきです。 ②日本の国土面積の7割ほどを占める森林のうち、4割は人工林です。人工林は管理することを前提とする森林で、管理が行き届かないと荒れてしまいます。現状として、あちらこちらで劣化が進んでいます。それでは、天然林は健全かというと、こちらも更新がうまく回っておらず、劣化が始まっていると言えます。 森の外から見ても、そうとは分かりずらいことも、事をより一層深刻な問題にしている様に思います。社会が認識した時には、既に取り返しがつかないなんてことになり兼ねないからです。 これら二つの問題を一挙に解決することができるならば、それに取り組まない手はありません。 そんなうまい話が本当にあるだろうか?と思われるでしょうか。 話を変えます。ほんの100年くらい前のこと。 その頃の人々の暮らしを支えていた燃料はどこから調達されたというお話。 昔話の冒頭の「おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に」というくだり。人類は長い歴史の中でずっとこの様な暮らし方をしてきました。 講義タイトルに温故知新と記したのは、このゼミでは昔の様に森林資源をエネルギーとして利用することを通して森林を管理する方向を考えてみたいからです。 森林資源で日本の全てのエネルギー需要に応えることができるのか?という質問を受けることがあります。答えはNoです。 洋上風力の方が効率がよいのではないか? 答えはYesかも知れません。 この様な流れになると、森林資源を活用する木質バイオマス発電に取り組むメリットがないと決めてかかる方が少なくありません。 果たしてそう決めつけて、木質バイオマス発電には取り組まないでよいのでしょうか。 二項を対立させて、片方が正解で、もう片方は不正解とするのは単純明快で分かり易い。 洋上風力発電の方が木質バイオマス発電よりも効率が良いとして、効率が悪いシステムに投資するよりも効率の良いシステムに投資する方が儲けが多い、それならば、もはや木質バイオマス発電にかまけている場合ではないと。 このゼミではこういうレベルの話も是非とも皆さんと一緒にしたいと思っています。 話を変えます。2019年に千葉県に上陸した台風15号を覚えているでしょうか。家屋の損壊も大変でしたが、大停電が起こり、なかなか復旧できなかったことは大きな衝撃でした。千葉県のブランド杉であるサンブスギが至る所で倒れました。サンブスギは溝腐れ病を罹患し易く、罹患すると材質が悪く使い物にならないために、山野に放置され、それらが大量に倒れたということです。 この体験ゼミの背景には、そのサンブスギをバイオマス発電の燃料として活用する取り組みがあります。これは負の遺産とちゃんと向き合う取り組みとして評価することができます。使い道が無いサンブスギも発電の燃料になります。近くにバイオマス発電が動いているから可能な話です。 では、発電燃料として皆伐した跡地をどうするか? 少花粉スギか無花粉スギを植えるのがよいでしょうか。 現在わが国には1000万haの人工林があります。それは国土面積の25%に相当します。人工林に植栽される樹種はスギ・ヒノキ・カラマツという針葉樹で、用途は主に建築用です。この先、人口が減少し、住宅着工数が減少するのであれば、用材を生産する目的の人工林は少し整理して、異なる用途を探る必要がありそうです。 今回は皆さんに早生樹ユーカリ植栽に参加してもらうことにしました。 二項対立で、ユーカリが正解で、スギは不正解という話をしようというゼミではありません。 スギ・ヒノキではなく、コナラ・クヌギでもなく、ユーカリを植えるということが、どういうことなのか。 是非、じっくりと考える機会にしてください。 持続可能なゴールが見えるでしょうか? ------------------------------------------------------------ ※このゼミは4月10日(木)18:45~20:00にZoomで行われる農学部合同説明会への参加を予定しています。 ZoomのURLは後日周知いたします。 ------------------------------------------------------------ 積極的に活動に取組む姿勢を最重視する。加えて事後レポートの内容で評価する。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 特定日に行う。/Will conduct guidance at another time 講義題目 作りS2 担当教員 鴨田 重裕 所属 曜限 単位 農学部 集中 1 対象
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