1年 文科 理科 2年 文科 理科 時間割コード 全学体験ゼミナール 40299 S2 授業の目標概要 成績評価方法 教科書 ガイダンス 開講 秩父に学ぶS 木を育む森を知り・木を伐採し・木を使うゼミ ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 【注意】この授業は開講日程の都合上、成績が所定の確認日より後に公開される見込みが高いので留意すること。特に2年生は本科目の成績が進学選択が可能となる条件に含まれない見込が高いので、履修にあたっては十分に注意すること。 日本は国土面積3,780haの7割近くが森林で覆われています。その40%に当たる1,000万haが人工林です。人工林は管理をし続けないと、健全性を保つことができず、また、収穫し、再造林しなければ若返り(更新)が担保されません。それらを担うのは林業です。しかし、林業を取り巻く環境は非常に厳しいものです。未解決の問題が山積しています。林業従事者が少ない問題、森林所有者の問題(500万haにおよぶ森林が私有地であり、所有者の3/4は5ha以下の小面積所有、そして所在不明案件が10万件に及ぶなど)、獣害の問題、コストの問題(大型草本を刈るコストや獣の食害から守るコスト)など、枚挙すれば切りがありません。 人工林以外の森林は天然林と呼ばれます。人為の有無によって天然生林/天然林と区別したり、区別せずに天然林と言ったりしますが、いずれも天然更新された森林です。ここでは区別せずに天然林ということにします。 話の流れ的には天然林は、人工林と違って問題ないと思われるかも知れませんが、残念ながら天然林でも問題が発生しています。天然林の健全性は自然に更新のサイクルが回ることによって保たれますが、更新の担い手である実生や稚樹が獣の影響で消失しています。これでは天然更新のサイクルが回りません。 ここ数年、北陸や東北のクマ被害が頻繁に報じられています。人里に現れて、人の暮らしを脅かす事例はTVや新聞に取り上げられるので、ご存じの方も多いでしょう。しかし、山林で獣の影響がどの様になっているかについて報じられることははほぼなく、森林の健全性を脅かす喫緊の課題であるにも関わらず社会の関心が向いているとは思われません。 このゼミの舞台となる秩父演習林は荒川源流部にあります。その荒川源流は今現在、澄んだきれいな水を流しています。森林も緑豊かでとても美しく見えます。この様な捉え方をする分には何の問題もなさそうです。しかし、森林内に足を踏み入れて観察してみるとずいぶんと違って見えるかも知れません。 皆さんには、実際に山林のあり様を見てもらった上で、このまま何の手も打たないままでいると森林がどうなるかということを考えてもらいたいと思います。 またこのゼミでは、木を伐り出し、それを使う体験をしてもらうことにしています。 切り出して、運び出すことを通じて、森林を資源として捉える一つの視点を得たいと思います。視点を得ることによって、森林の見方が少し変わるでしょうか。どの様な変容があったかを皆で考察します。 運び出した木はどう使う? ・燃料にする(飯盒炊爨・ドラム缶風呂) ・匂い・味覚を楽しむ(風呂に檜を浮かべる・燻製) ・小物を作る(バードコール作り) 山林の状況を知り、山林のことを考えるには、現代社会が疎かにしてきた、日本の森林資源をどう活用するかということとしっかりと向き合わなければなりません。木を身近に感じ、木の有難さを知る。そういう木を供給してくれる森林の健全を取り戻さなければいけないという直観を得ていただきたい。 ※ガイダンス(初回講義)を覗きに来てください。 ------------------------------------------------------------ ※このゼミは4月10日(木)18:45~20:00にZoomで行われる農学部合同説明会への参加を予定しています。 ZoomのURLは後日周知いたします。 ------------------------------------------------------------ 授業への取り組み姿勢とレポートで評価します。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 特定日に行う。/Will conduct guidance at another time 講義題目 担当教員 鴨田 重裕、 坂上 大翼、 久本 洋子 所属 曜限 単位 農学部 集中 2 対象
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