1年 文科 理科 S 2年 文科 理科 時間割コード 全学体験ゼミナール 31744 授業の目標概要 成績評価方法 教科書 ガイダンス 開講 森に学ぶ_林業を意識する低山歩きと森林生態系を意識する奥■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 【注意】この体験ゼミはオンライン受講はできません。また、5時間くらい歩ける体力が必要です。 日本は国土面積の7割近くが森林で覆われています。その40%に当たる1,000万haが人工林です。人工林は管理をし続けないと、健全性を保つことができず、また、収穫し、再造林しなければ若返り(更新)が担保されません。それらを担うのが林業です。 その林業を日本は放棄して良いのでしょうか? 林業を取り巻く環境は非常に厳しいものです。現在の日本において、林業には全方位に解決しなくてはならない問題があると言っても過言ではありません。林業従事者が少ない問題、森林所有者の問題(500万haにおよぶ森林が私有地であり、所有者の3/4は5ha以下の小面積所有、そして所在不明案件が10万件に及ぶなどの問題)、獣害の問題、コストの問題(大型草本の問題や獣害の問題とも関係する)など、枚挙すれば切りがありません。 そういった状況にある「林業」について考えてみたい、考える必要を感じる、重要なんだろうけどどこか他人ごとになってしまう、という普通の東大生に「皆で考える」場を提供するゼミにしたいと思っています。 あなたはハイキングや山野を歩くことが好きでしょうか(好きになりそうでしょうか)。 このゼミでは東京近郊の身近な山と、奥秩父のあまり人が訪れない山を歩きます。林業を意識しながら歩いたり、目の前の森林の来し方行く末を思いながら山を歩いたりする機会を提供することを目的とする講義です。自然豊かな秩父の山の奥の方と、人里に近い低山とを歩き比べてみましょう。どちらが自分好みか、二項を対立させる様な価値感を持ち込みがちですが、ここは是非両方の良さを知る機会にしていただきたいと思います。 森林・林業を意識する? このゼミでは森林を意識する・林業を意識するという視点を持って歩くことを提案します。意識を働かせることで見え方がグッと変わってくることを体験してもらいたい。そこで見えたコト・モノももちろん大切ですが、この体験ゼミでは自分の意識をコントロールすることで見えるコト・モノに大きな変化が生じることを体験し、その体験の意味をしっかりと噛みしめていただきたいのです。このゼミで林業を自分で意識できるようになれば、いろいろなコト・モノに目を向ける姿勢を身につけることになるでしょう。 さらに、私たちが生きる現代社会について考えてみましょう。 私たちが生きる現代社会は、いろいろなプロセスが見えづらい時代であると捉えることができます。構造が複雑になりブラックボックス化が進んでいることがその大きな要因の一つでしょう。複雑で忙しい日々を過ごすうちに、思考を節約して簡単に済ませる術を身に着けるという、いわば生活習慣によって観察できない状態・考えられない状態に追い込まれている、こういうことはないでしょうか。 このゼミではまわりの植物をゆっくりと観察できるくらいの歩調で、時に立ち止りながら山林の中に身を置きます。ゆっくりと歩き、時に立ち止ることで見える量も質も大きく異なってきます。ブラックボックスに立ち向かうためにはゆっくりと思考する姿勢が何よりも大切ではないでしょうか。 何か正解を見つけるために山歩きをするわけではありません。知れば知るほど難しい問題になるのかも知れませんし、一つだけ正解がある様な単純な問題とも限りません。よく考えてみること、それ自体がこのゼミの目的と言えそうです。 手つかずの奥山の様子と資源利用を行う人工林と、両方を意識して歩いてみると何が見えて来るのでしょうか。自分が何を感じたか、感じたことを出発点として何を考えたか。そして、それをどの様に自分の行動に落とし込んでいくことができるか。 感じる・考える・行動するのサイクルを回そう。 これは「伊豆に学ぶ」シリーズ・「森に学ぶ」シリーズ「秩父に学ぶ」に共通する理念です。 企画系ゼミ(31741,31742,31743)に繋げて「どう行動するか」の部分を大学生の内に何か一つでも実現できたならば、あなたの生き方が大きく変わるかも知れません。※ゼミのコミュニティーで学園祭企画をやるので、一緒にやりませんか。 ------------------------------------------------------------ ※このゼミは4月10日(木)18:45~20:00にZoomで行われる農学部合同説明会への参加を予定しています。 ZoomのURLは後日周知いたします。 ------------------------------------------------------------ 最後の山行後、1週間を目途にレポートを提出してください。 レポートには、日本社会はどの様な取り組みをするべきなのか、何が不足しているかなどについて、山行で実際に感じたこと、考えたことを交えてお書きください。 ※提出は求めませんが、各山行後には気づいたことや覚えておきたいことなどのメモ書きを残しておきましょう。 講義の受講態度と事後レポートの内容により合否を判定します。 レポート提出が無い場合は不合格になります。 レポートは内容により合否を判定します。大学生のレポートのレベルに達していると認められない場合は不可とします。山行の感想文の様なものはレポートとは認められません。 三回の山行への出席が必要。 「森に学ぶ_林業を意識する低山歩きと森林生態系を意識する奥山歩きS1_1」は1単位、 「森に学ぶ_林業を意識する低山歩きと森林生態系を意識する奥山歩きS1_2」は2単位としてあります。 3山行にしっかりと参加して+レポート満点の場合は都合3単位を付けます。 1山行ないし2山行+レポート合格の場合は「2ゼミ」の2単位を付けます。 2単位に達しないと判断する場合には、「1ゼミ」の1単位をつけるか、不合格になる場合があります。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 特定日に行う。/Will conduct guidance at another time 講義題目 山歩きS1_1 担当教員 鴨田 重裕、 平尾 聡秀 所属 曜限 単位 農学部 集中 1 対象
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