1年 文科 理科 2年 文科 理科 S 時間割コード 全学自由研究ゼミナール 31742 授業の目標概要 講義タイトルにはあえて「獣害問題」と書きました。 成績評価方法 教科書 ガイダンス 開講 獣害問題とは何の問題かS (自由自主の企画系ゼミ) ~獣だけの話ではない。見えにくい防災問題や国土荒廃のなぜ近年野生動物と人との軋轢が増しているのでしょうか。 「オオカミを絶滅させてしまったからシカやイノシシが増えている。他所から捕食者オオカミを再導入すればこの問題は解決する」 という話を耳にすることがあります。 オオカミの再導入で問題は簡単に解決するのでしょうか? 問題はそれほど単純ではないと思われます。 オオカミを再導入する前に、なぜ日本人はニホンオオカミを絶滅させてしまったのかということにはしっかりと向き合う必要があるはずです。 ニホンオオカミと日本人との間に軋轢があり、その結果としてニホンオオカミを絶滅させることになったのであれば、他所から再導入するオオカミと私たちとの間に軋轢が生じないことを前提に話を進めることは合理的ではありません。 現代社会は複雑であるがために、私たちを取り巻く様々な関係が希薄になっています。それがために、諸処において自分と対象物・対象事象との繋がりに実感が伴いません。その結果として当事者意識を持てないことになってしまい、それが問題をさらに深刻化させているという、負のスパイラルの見本の様な状態と言えます。体験ゼミ「伊豆に学ぶ」「森に学ぶ」ではこれらの気付きを得た学生さんが多数います。 ゼミ中に得たその「感覚」も、そのまま放置すると、あっという間に風化してしまいます。それは実にもったいないことです。 本自由研究ゼミナールは、体験ゼミ「伊豆に学ぶ」「森に学ぶ」とは少し違う角度から本件について考察を深めていきたいと考えています。違う角度とは何か?このゼミナールでは自律的に企画することにより、体験ゼミとは違った視点得て、発信することを通して深く考える力や行動する力を涵養してもらいたい。 講義タイトルにはあえて「獣害問題とは何の問題か」と書きました。 もちろん獣が悪いという単純な話ではないと、皆さんも思っているはずです。 では、どういう問題なのか? 正解を導き出すことよりも(そもそも正解というものが存在するのでしょうか?)、どういうこととリンクしているか紐解く姿勢が重要なのではないか。 オオカミを再導入して、シカの頭数が減れば、大団円ということになるのでしょうか。 オオカミによる新たな獣害が生まれる危惧はないのでしょうか。 このゼミナールでは自律的に企画することが重要になります。自分から社会に発信することを通して、深く考える力や行動する力を涵養してもらいたい。 この自由研究ゼミの目標は「獣害問題」の解決に向け政策提案することではありません。政策提案することを目標としてしまうと、あたかもその提案によって解決できるかの如く話をまとめることが目的になってしまうからです。 複雑な問題に対して何とか「解(のようなもの)」を捻り出して政策提案することではなく、複雑な問題とじっくりと向き合い、向き合ったことを社会に向けて発信することを目的とします。 このゼミでは五月祭・駒場祭に「日本は林業を放棄してよいのか」と発信する企画を打ち出します。問題の本質が何であるのかを一緒に考えるきっかけを提供するのがこの企画の狙いです。 学園祭企画を創作していきましょう。 ※少し気になった方は、ガイダンス(初回講義)だけでもどうぞ。 ※学園祭に自分たちの企画を出展することを本ゼミの最終目標とする ------------------------------------------------------------ ※このゼミは4月10日(木)18:45~20:00にZoomで行われる農学部合同説明会への参加を予定しています。 ZoomのURLは後日周知いたします。 ------------------------------------------------------------ 授業中の取り組み姿勢、企画立案および企画実行の取り組み姿勢、責任ある行動を重視する。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 講義題目 連環~ 担当教員 鴨田 重裕 所属 農学部 曜限 単位 対象 集中 2
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