2025Sシラバス
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1年 文科 理科 木 4 S 2年 文科 理科 時間割コード 全学自由研究ゼミナール 31795 授業の目標概要 先端的な科学技術の活用においては、しばしばその中核となるテクノロジーに焦点が当たる。一方で、テクノロジーだけではイノベーションを期待しにくい時代となった。特にドローン、AI、宇宙、ブロックチェーン、遺伝子編集、量子コンピューターといった新興科学技術領域では、技術の急速な進歩に対してルールづくりが追いつかず、適切な形での技術の振興・普及が妨げられるという問題がかねて指摘されている。これに加え、2019年ごろから経済安全保障の観点が強調される中、時代と状況に合わせたルール形成がますます重要となっている。サプライチェーンの分断、戦略物資の確保とそのための輸出入規制、人権抑圧に対する制裁等々の安全保障上の課題が企業の国際競争力に直結しており、積極的な関税政策についても考慮する必要に迫られている。 こうした状況の下で、ルール形成戦略が先端技術を基盤とするビジネスの命運を握る“鍵”となるとの理解は深まりつつあり、政治家や官僚のみならず起業家やビジネスマンにとっても必要な視点として意識されるようになった。実際に、シリコンバレーをはじめとする世界各地の企業には、自らが目指すサービスやプロダクトが社会実装されるためのルールづくりを主導し、自社にとって有利な市場環境を構築するための多くの戦略が取られている。本演習では、ルールを活用した経営戦略について広く学習するとともに、その実情や実態について分析を行う。 本演習は、起業やビジネスに関心のある学生、職業としての政治家や国家公務員に関心のある学生、あるいは国際機関に関心がある学生などを対象として想定している。国際的なビジネス展開を経験してきた大企業やスタートアップからゲストを呼び、技術・ビジネス・ルールをいかに相関させて経営するかについて、理解と関心を深めることを目的とする。セメスターの最後には大企業の役員クラスのゲストに直接経営戦略に関する提案をしていただき、諸君のビジネスや政治に関する実際の肌感をすり合わせることのできる機会を儲ける。さらに、学生同士の交流も深め、アイデアを語りあう創造的な場の醸成を目指す。特に、以下の3点に留意しゼミを進めていく。 1. 国際的な大企業やスタートアップのビジネスモデルと経営戦略、またそれに関する国内外の政府の役割や国際情勢の影響についての解像度を高める。 2. 同じ興味を持つ学生相互間や、学生と企業人の間での積極的な交流を図る。 3. ビジネスと政治に関する肌感覚と大局観を養い、キャリア・プランニングの参考にする。学期終了時には、自らの未来を切り開くために行動を起こす準備をする。 各回への出席を前提に、活発な質疑応答によってクラスに貢献し、発表を行う(またはグループに寄与する)ことで、「合格」となる。 Google Formによるアンケートに答えることで各回への出席と判断する。 参加者が多い場合はグループ分けをし、発表はグループで行い、スタートアップや企業に対してルール形成を含めた実際の経営戦略や必要な行動変容を提案する内容とする。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 成績評価方法 教科書 ガイダンス 開講 技術と政策で起こすイノベーション / Technology and Policy: Catalyzing Innovation 講義題目 担当教員 先端科学技術研究セ武見 綾子 所属 ンター 曜限 単位 対象 2

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