苔 教科書は使用しない。/Will not use textbook 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 初年次ゼミナール理科 31596 金 4 授業の目標・概要 毎年私たちは、春になるとお花見を楽しみ、喧騒なセミの鳴き声から夏が来たことを体感します。このような生物の季節ごとの反応は、気温や日照時間などの気象条件の季節的な変化を生物が感知することで生じていて、生物季節または生物暦といいます。また、自然の力を使用して有用な植物を栽培する農業においては、生物季節をうまく活用する必要があり、種まきや収穫のタイミングを記した農事暦が活用されてきました。 気球規模で進行中の気候変動は、生物季節にも影響を与えており、「今年の桜の開花は統計を取り始めて以来最も早かった」というような話もよく聞きます。本授業では、気候変動が生物季節や農事暦に与える影響について、既存の科学的な観測データの解析を通して、定量的に評価するとともに、気候変動が私たちの生活や農業に与える問題に気づき、その解決策を探ることを目的としています。 概要 この授業で対象とする生物は、ソメイヨシノ、アブラゼミ、海苔の3種になり、それぞれの演習の概要は以下の通りである ・ソメイヨシノ みなさんが最も馴染みのある花の一つである桜(ソメイヨシノ)の開花日をあつかいます。自分が馴染みのある地域の開花日の変動を、気象庁のデータベースを使い解析します。加えて、この変動が生活へ与える影響を考察します。グループワークで行います ・アブラゼミ 個人でワーク。既報の研究からわかっているモデルを応用して、今年の東京の初鳴き日を予想します。 ・海苔 グループワーク。現在の海苔養殖は海苔の種(殻胞子)をつけた海苔網を秋に海中に張り、育った海苔を冬に収穫します。良い海苔を作るためには海苔網を張るタイミングが重要となり、塩分の変動が少なく安定した低い水温になる時期を見極める必要があります。海苔漁師たちは金木犀の開花に合わせて海苔を張るとうまくいくことを経験的に知っています。このワークでは、海苔の養殖方法を理解し、金木犀に代わる海苔養殖により適した新しい生物季節を探索します。 海苔の生産現場(千葉県三番瀬)と乾物屋(東京都築地)を見学します。見学は6月の土日を予定しており、日程はゼミナール開講後に参加者に相談して決めます。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 出席、発表内容、発表会での質疑への参加に基づいておこなう 成績評価方法 授業のキーワード 問題発見・解決型、データ解析型、農学、気候変動、生物暦/生物季節/農事暦、ソメイヨシノ、アブラゼミ、海教科書 ガイダンス 31597 金 4 授業の目標・概要 生物の優れた仕組みに着想を得たモノづくりの新奇な企画提案を行う。 そのために, (1)生物の優れた機能を解明した研究,またはバイオミメティック・バイオインスパイアドというキーワードに基づいて行われたモノづくり研究の過去の例を学ぶ(文献検索と読解,発表を通じた情報共有)。 (2)小グループに分かれて,(1)で得られた情報などを参考に議論し,柔軟な発想で,生物の優れた仕組みに着想を得たモノづくりの企画を考える(課題解決のためのグループワーク)。 これらを通じて, ・コミュニケーション能力を伸ばす。 ・プロジェクトを推進する時に,何が分かっていて,何が分かっていないのか,何が問題で,どうやったら解決できるのか,自分の頭で考える能力を身につける。 ・試行錯誤やプロジェクト推進の難しさと,計画性の重要性などを学ぶ。 ・自分の考えを,分かりやすく他人に伝え,情報を共有することで,新たなアイディアや知見を得るためのコミュニケーション能力の基礎を身につける。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 成績評価方法 授業のキーワード プロジェクト提案/企画提案、バイオインスパイアド、バイオミメティック 教科書 ガイダンス 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構 Educational Transformation 部門・若杉桂輔・宮島 謙編 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 バイオミメティック・エンジニアリング 気候変動と生物暦 科学の技法 第2版:東京大学「初年次ゼミナール理科」テキスト 東京大学出版会 平瀬 祥太朗、青木 茂 杉原 加織 農学部 生産技術研究所
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