2024Sシラバス
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教養学部(情報図形部会) 生産技術研究所 初年次ゼミナール理科 授業の目標・概要 (授業の概要と目的) 「学校からの帰りに重い荷物を駅までもってくれれば10円あげる」と友人に言われると、「10円なんかいらないよ」と返答して荷物を運んであげる人は少なくないと思われます。しかし、伝統的な経済学が仮定するように私たちが合理的な経済人ならば、たとえ10円であっても労働の対価を受け取った方が得です。では、どうしてこの状況では10円を受け取らないのでしょうか? 人はときに合理的・規範的な理論から逸脱した行動をとることがあります。かと言って、それが人にとって本当に非合理というわけでもありません。そこで本授業では、人が日常的にしばしば見せる不思議な(所謂「合理性」からはずれる)判断と意思決定(Judgment and Decision Making)についての理解を、認知科学的な観点から深めることを目的とします。この目的を達成するために、私たちが日常、特に意識することなく行っている判断や意思決定の背景にある心的メカニズムに関する仮説を立て、認知心理実験の立案と実施を通してその仮説を検証します。研究成果を全員の前で発表した上で、簡単な報告書を提出してもらいます。これらの作業は3-5名のグループ単位で実施する予定です。 (授業の目標) ・グループワークを通じて、集団での問題設定、情報共有、討論、役割分担ができる ・アカデミック体験を通して、人の意思決定や判断に関する基礎的な研究の概要を説明することができる ・人の心理を知るための仮説と実験計画を立て、データをとってその仮説を検証することができる ・心理・行動データに対する基礎的な統計解析ができる 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 (この講義での個別の評価基準) ・興味深い現象に対して適切な仮説と、それを検証するのにふさわしい実験を設定できたか。 ・より良いデータ取得を目指し、適切な手法で分析できたか。 ・わかりやすい発表を行い、適切な報告書が作成できたか。 成績評価方法 授業のキーワード 問題発見・解決型 、情報学/認知科学 、判断と意思決定、認知心理実験、統計解析、グループワーク 教科書 ガイダンス 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構 Educational Transformation 部門・若杉桂輔・宮島 謙編 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 授業の目標・概要 鳥、魚、さらにはバクテリアといった生物(アクティブマター)はしばしば巨大な群れを作って運動することが知られています。このような現象を理解するために、多くの研究が行われてきましたが、その機構については現在も十分なコンセンサスが得られていません。この授業では、自発的な運動を行っている構成要素(モデル生物)が集まった場合に、どのような振る舞いをするか?それはどのような意味があるのか?実際の現象を説明しうるか?といったテーマについて、皆さんがモデルを考え、議論し、考察・解析を深めてゆきます。教員はなるべく後方支援、あるいは監督者という立場に徹したいと思いますので、参加者の皆さんの能動的な参加を期待します。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 成績評価方法 授業のキーワード アクティブマターの物理、集団運動・群れ、相互作用、数理モデル 教科書 ガイダンス 教科書は使用しない。/Will not use textbook 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 31552 火 3 31556 火 3 人間行動のメカニズムを科学的に探る :判断・意思決定を例にして 鳥や魚はどうして群れるのか? 科学の技法 第2版:東京大学「初年次ゼミナール理科」テキスト 東京大学出版会 9784130623230 植田 一博 古川 亮

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