初年次ゼミナール文科 授業の目標・概要 【共通目標】 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 「学び」は、日常生活や学校において誰もが経験する。それゆえ誰もが「学び」に関する自分なりの考えや方略を持っている。一方、「学び」を対象とした研究では、そうした経験的な知ではなく、実験や調査で得たデータに基づいて知見が生み出されている。 「学び」を対象とする研究分野の一つに教育工学がある。教育工学では、最適な「学び」を目指して、人間の「学び」に関する問題への解決方法を考え、実行・評価が行われる。そして得られた知見を教育実践に活用し、最適な「学び」の実現を目指す。 この授業では、最適な「学び」の実践に資する「問い」を先行研究を踏まえて設定し、「問い」に答えるための研究計画を立て、調査もしくは実験を実施してデータを取得・分析し、学術論文の形式に則って小論文として執筆することを目的とする。「学び」は、誰もが経験しているがゆえ、「問い」に繋がる「問いのきっかけ」を誰もが持っている。自らの関心、「問いのきっかけ」を、先行研究調査や他者との議論を踏まえて学術的な「問い」に発展させ、「問い」への回答を自分たちなりに導き出すことを目指す。 以上を踏まえ、この授業では下記の授業目標を設定する。 ・「学び」に関する学術論文の形式を述べられる ・自らの「問い」の形成に必要な文献を収集できる ・先行研究の問題点や課題を指摘できる ・「学び」に関する自らの「問い」を設定できる ・「問い」に答えるための研究計画を立てられる ・研究計画に沿ってデータを取得し分析できる ・分析結果を適切に解釈して、「問い」に対する結論を述べられる ・「問い」や研究計画、結果・考察を学術論文の形式に従って小論文として執筆できる ・他者の「問い」や研究計画、小論文の改善点を指摘できる 【学術分野】心理・教育学 【授業形態】ディシプリン型 フィールド型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する 成績評価方法 授業のキーワード 教授学習、教育工学、調査研究、実験研究、データ分析 教科書 ガイダンス 教科書は使用しない。/Will not use textbook 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 31767 金 4 最適な「学び」を考える 中澤 明子 教養教育高度化機構
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