時間割コード 31688 S1 成績評価方法 教科書 ガイダンス 授業の目標概要 開講 森に学ぶ_林業を意識する低山歩きと森林生態系を意識する奥山歩き_2【注意】対面授業(野外実習≒山歩き)に参加可能な学生のみに履修をこのゼミでは東京近郊の身近な山と、奥秩父のあまり人が訪れない山を歩きます。林業を意識しながら歩いたり、目の前の森林の来し方行く末を思いながら山を歩いたりする機会を提供することを目的とする講義です。自然豊かな秩父の山の奥の方と、人里に近い低山とを歩き比べてみましょう。どちらが自分好みか、優劣をつける様な価値を持ち込みがちですが、ここは是非両方の良さを知る機会にしていただきたいと思います。 森林・林業を意識する? 山歩きはとても気持ちいいものです。色々なことをくよくよ考えたり、せわしなく過ごしたりしがちな日常生活から距離をとる。山歩きをしているその瞬間は、日常をすっかり忘れて、ただ歩くことのみに気持ちを向かわせることができます。それはそれでよいものです。 その様に無心に山野を歩くのも好いですが、このゼミでは森林を意識する・林業を意識するという視点を少し持って歩くことを提案します。意識を働かせることで見え方がグッと変わってくることを体験してもらいたい。そこで見えたコト・モノももちろん大切ですが、この体験ゼミでは自分の意識をコントロールすることで見えるコト・モノに変化が生じることを体験し、その体験の意味をしっかりと噛みしめていただきたいのです。このゼミで林業を自分で意識できるようになれば、いろいろなコト・モノに目を向ける姿勢を身につけることになるでしょう。 私たちが生きる現代社会の特徴 私たちが生きる現代社会は、いろいろなプロセスが見えづらい時代であると捉えることができます。構造が複雑になりブラックボックス化が進んでいることがその大きな要因の一つでしょう。しかし、それが原因だから仕方がないと片付けてしまえばそれまでです。複雑で忙しい日々を過ごすうちに、思考を節約して簡単に済ませる術を身に着けるという、いわば生活習慣によって観察できない状態・考えられない状態に追い込まれていると捉えることはできないでしょうか。 このゼミでは忙しなく歩くような山歩きはしません。まわりの植物をゆっくりと観察できるくらいの歩調で、時に立ち止りながら山林の中に身を置きます。ゆっくりと歩き、時に立ち止ることで見える量も質も大きく異なってきます。ブラックボックスに立ち向かうためにはゆっくりと思考する姿勢が何よりも大切になります(ゼミ中にたまに少しだけ先を急ぐことがあるかも知れません。そんな時はどうぞ笑って許してください)。 このゼミではたっぷりとその様なことを考えてもらいたい。 何か正解を見つけに山歩きをするわけではありません。知れば知るほど難しい問題になるのかも知れませんし、一つだけ正解がある様な問題とは限りません。よく考えてみること、それ自体がこのゼミの目的と言えそうです。 手つかずの奥山の様子と資源利用を行う人⼯林と、両方を意識して歩いてみると何が見えて来るのでしょうか。自分が何を感じたか、感じたことを出発点として何を考えたか。そして、それをどの様に自分の行動に落とし込んでいくことができるか。 感じる・考える・行動するのサイクルを回そう。これは伊豆ゼミシリーズにも共通する理念です。本ゼミをきっかけに、これらのゼミを母体とするコミュニティに残り、どう行動するかの部分を大学生の内に何か一つでも実現できたならば、あなたの生き方が大きく変わるかも知れない。 ------------------------------------------------------------------------------- ※このゼミは以下の日程で行われる農学部合同説明会への参加を予定しています。 【日程】2023年4月18日(木)18:45~19:45 @駒場キャンパス1313教室もしくは1323教室を予定(教室の確定は3月下旬頃) ------------------------------------------------------------------------------- 講義の受講態度と事後レポートの内容により合否を判定します。 レポート提出が無い場合は不合格になります。 レポートは内容により合否を判定します。大学生のレポートのレベルに達していると認められない場合は不可とします。山行の感想文の様なものはレポートとは認められません。 三回の山行への出席が必要。 「森に学ぶ_林業を意識する低山歩きと森林生態系を意識する奥山歩き_1」 「森に学ぶ_林業を意識する低山歩きと森林生態系を意識する奥山歩き_2」 それぞれが1単位。 1山行ないし2山行+レポート合格の場合は「1ゼミ」に 教科書は使用しない。/Will not use textbook 特定日に行う。/Will conduct guidance at another time ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 近年、日本では「線状降水帯」による甚大なる気象害が毎年のように発生するなど、「異常」なほどの気象害が常態化しています。しかし、これは地球規模で洪水と渇水が頻発していることの一面を捉えているに過ぎません。ご存じの様に日本は食料自給率が低いので、世界の穀倉地帯が干ばつや大水害に見舞われれば直ちに大きな影響を受けることになります。食料問題ばかりのためではありませんが、気候変動への取り組みやレジリエントな社会づくりの重要性は増しまています。さて、そんな喫緊の課題が山積みになっているなか、日本社会は十分な取り組みができているでしょうか。 ところで、日本の国土は7割近くが森林に覆われていることをあなたは当然ご存じのはずですが、その7割の面積におよぶ森林をどの様に管理するべきか、あなたは考えてみたことはありますか? 山林のことは林業関係者に任せておけば良いでしょうか? 自分はそういう方面に就業しないから考えなくても良いのでしょうか? 人任せ、あるいは誰かの考えに盲従していても、国土が取り返しのつかないことになる心配はないと思えますか? いま現在、日本において、その肝心の林業はちゃんと回っているのでしょうか。 日本の林業は外国に比べてコスト高であるため、儲けを出しにくいと言われています。儲からない産業には資本が投下されにくい(資本主義から見放される)。すべてを資本主義的な価値観で判断するのであれば、日本の山林は放置する講義題目 (秩父ゼミ) 制限します。 担当教員 鴨田 重裕 平尾 聡秀 所属 曜限 単位 農学部 集中 対象 1年 文科 理科 1 2年 文科 理科 全学体験ゼミナール
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