【目標】 - 1990年代以降の開発と安全保障の融合や「人間の安全保障」概念が前提とする考え方およびそれらに基づく実践事例について理解したうえで、それらの課題やジレンマについても考察することができる。 - 2010年代後半以降(とりわけ2020年以降)に表面化した、開発と安全保障に関連する業界に対する批判や再考の動きを把握し、その展望を考察することができる。 【概要】 冷戦終結後の国際政治学や国連等での政策論議においては、既存の「安全保障」概念が見直され、「人間の安全保障」といった概念が提示された。同時に、主に「南」における「新しい戦争」や暴力が問題視され、開発上の諸問題は戦争や暴力の発生リスクを高める要因とみなされた。研究や政策論議における開発と紛争予防や平和構築との境界線は曖昧化し、開発問題と安全保障問題は不可分のものとみなされていった。 本講座では、こうした認識に基づいて行われてきた研究や、条約等の合意形成、そして個々の現場での取り組みを紹介し、研究と実践の双方において生じた成果やジレンマ、課題を考察する。 とりわけ、講座の後半では、近年の#MeToo運動や新型コロナウイルス感染症をめぐる状況、Black Lives Matter運動の展開、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナの状況などを背景に生じてきた、開発・安全保障関連業界に対する批判や再考の動きに焦点を当てる。 期末レポート(1回)の内容にて評価を行う。 - 授業で習ったことを記述する」のではなく、授業を聞いたうえで自ら調査を行い自ら思考した結果を示すような新規性・独創性のあるレポートを高く評価する。 - 盗用・剽窃には厳しく対応し、レポート作成の執筆要領も予め指定する。執筆要領に則り、文献の参照の仕方や参考文献表記などを適切に行うことが求められる。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 時間割コード 31107 時間割コード 30355 講義題目 授業の目標概要 成績評価方法 教科書 ガイダンス 講義題目 授業の目標概要 成績評価方法 教科書 ガイダンス 開講 授業科目名 S 現代国際社会論 開講 授業科目名 S 地域文化論Ⅰ スラヴ・ユーラシア研究の地平 この授業は、スラヴ・ユーラシア研究に関連する分野に携わる本学教員によるオムニバス授業です。2023年度Aセメスターに開講された「地域文化論II」に引き続き、毎回異なる教員がそれぞれのテーマで講義を行うことで、学生が各分野の最先端の研究成果の一端に触れるとともに、日本では触れる機会が少ない「スラヴ・ユーラシア」諸地域の政治・社会・歴史・文化を「広く深く」学ぶことを目標とします。 「スラヴ・ユーラシア」は、かつて社会主義陣営に属していた中東欧・旧ソ連を包括する概念です。「スラヴ・ユーラシア」という語は、それを専門とする学問分野の外ではほとんど使われない上に、言語的・エスニシティ的な概念である「スラヴ」と地理的な概念である「ユーラシア」が並列しており、ぎこちない印象を与えます。しかし、そのぎこちなさが、地理的な境界、政治的な境界、言語・文化・エスニシティに基づく境界が複雑に入り組んでいるこの地域の内実をよく表しているともいえます。 必ずしも実態を正確に反映しているとはいえないものの、「スラヴ・ユーラシア」という語が術語化された背景には、冷戦期に存在した明確な政治的・軍事的一体性ではなく、歴史的にこの地域に存在してきたつながりと多様性の両方に寄り添おうとする研究者たちの試行錯誤がありました。しかし、「一体性」を取り戻すという名目で始められたロシアによるウクライナ侵攻が続く今、「スラヴ・ユーラシア」という概念と、その概念を用いる意義についても見直しが迫られています。こうした状況をふまえて、学生の皆さんには、全講義を通じて、「スラヴ・ユーラシア研究の地平」の、広がりだけでなく、その果て(限界)とその先(可能性)をも見極める意気込みをもって授業に臨んでもらいたいと思います。 出席とリアクションペーパーに基づいた平常点と、期末レポートの提出をもって評価します。レポートの執筆要領は、初回イントロダクション時に提示します。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 特に行わない。/Will not conduct guidance 担当教員 榎本 珠良 担当教員 浜田 華練 所属 国際関係 所属 地域文化研究専攻 曜限 金 2 曜限 火 2 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 総合科目B 国際・地域
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