2024Sシラバス
106/478

教養学部(物理部会) 理学部 初年次ゼミナール理科 授業の目標・概要 脳は神経細胞集団が電気的な信号をやりとりすることによって、高度な情報処理を行うシステムである。従って、神経細胞集団の電気的な活動の中には、様々な情報(視覚・聴覚・思考・感情・意図, etc.)が「暗号化」されていると考えることができる。脳の暗号を正確に読み取る方法(「デコーディング」と呼ばれる)を確立させることは、脳という情報処理システムを理解する上での一つの究極の目標と言える。この講義では、近年、急速に質・量ともに大幅に向上している脳計測データを実際に解析し、脳計測データから脳活動が暗号化している情報を、統計や機械学習の手法を使って読み取る方法論を学ぶ。 脳計測データは公開されているデータから自分が興味のあるデータを選ぶ。講義では、はじめにデータを選ぶために必要な、神経科学分野の論文の読解方法を学ぶ。次に、そのデータを解析するのに必要な、初歩的なプログラミング技術、統計、機械学習の基礎を学ぶ。はじめは既に報告されている解析結果の再現を行い、可能であれば自分なりに簡単なテーマを設定して、脳活動データの解析を行い、解析結果を報告することが最終的な目標となる。 講義の目標は以下である。 1.公開されているデータを探索し、活用する技術を身につける。 2.データ解析のための基礎的なプログラミング技術を学ぶ。 3.脳情報のデコーディングに必要な基礎的な統計、機械学習の方法を学ぶ。 4.自分なりの簡単なテーマを設定して、脳活動データの解析を行う。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 成績評価方法 授業のキーワード 授業のタイプ(実験データ解析型)、脳科学、脳情報デコーディング、プログラミング、統計、機械学習 教科書 ガイダンス 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構 Educational Transformation 部門・若杉桂輔・宮島 謙編 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 授業の目標・概要 地球惑星科学における基礎知識と論理的思考力、数量的スキルの涵養を目指す。そのために文献調査、観測データや理論モデルを用いた科学解析、解析結果にもとづいた科学的議論、成果発表を行い、最先端研究を体験する。前半は熱帯域の気候変動に伴う大気と海洋の変動に関するデータの解析を体験し、後半は宇宙環境科学に関する文献調査・データ解析・将来の科学探査の検討を行う。 (1)大気海洋科学 大気と海洋は日々変動をしているが、その変動はさまざまな測器を用いて観測されている。このような観測データから変動のメカニズムを解明するための情報を引き出し、そこから何が分かるかを吟味することは科学研究の基本となる。本ゼミでは、地球の熱帯域で得られている観測データを用いて、太平洋のエルニーニョ現象などの数年規模で変動する現象に注目し、大気海洋の変動過程を理解するとともに、それらの発生機構に関する議論を試みる。 (2)宇宙環境科学 地球をとりまく宇宙空間は太陽活動によって大きく変動するプラズマの世界である。人類のフロンティアが宇宙へと拡大するに従い、オーロラや宇宙放射線増加など宇宙環境変動現象の予測精度への要請も上がってきている。本ゼミでは、宇宙環境計測データの解析や文献調査を行い、宇宙環境変動を引き起こす物理機構を理解するとともに、将来どのような科学探査が必要かについて議論を行い科学目標や観測内容の検討を行う。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 成績評価方法 授業のキーワード 講義・輪読・解析実習、大気海洋変動・気候変動・大気海洋相互作用、宇宙環境変動・宇宙天気現象、科学衛星観測・将来ミッション 教科書は使用しない。/Will not use textbook 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 教科書 ガイダンス 31582 金 4 31599 金 4 脳の暗号解読方法 地球惑星物理学への導入 :宇宙環境と大気海洋 科学の技法 第2版:東京大学「初年次ゼミナール理科」テキスト 東京大学出版会 大泉 匡史 升本 順夫、関 華奈子

元のページ  ../index.html#106

このブックを見る