2024Aシラバス
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全学自由研究ゼミナール 1年 文科 理科 2年 文科 理科 授業の目標概要 近年、経済や政治や文化といったさまざまな領域で「Diversity & Inclusion」が関心を集めている。日本では2010年代から「ダイバーシティ」への取り組みが注目され、企業では女性や性的マイノリティや外国人といった多様な人材の「活用」が「ダイバーシティ・マネジメント」というかけ声のもとで進められている。行政や自治体でも、いわゆる「同性パートナーシップ条例」の制定や、防災・減災活動におけるマイノリティ視点の導入などの施策が「ダイバーシティ」言説のもとで推進されてきた。東京大学も2022年に「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を定め*、2023年4月には教養学部にD&I関連授業とセーファースペース(KOSS)を提供する「Diversity & Inclusion部門」が設置された。 「ダイバーシティ/ Diversity & Inclusion」の取り組みは、国連が推進してきたSDGsや、近年のフェミニズムや性的マイノリティの人権課題に対する関心の高まりとも親和性が高いようである。しかし、そもそも「多様性の包摂(Diversity & Inclusion)」とは国家や組織に対して、いかなる変化をもたらす、あるいはともなうプロジェクトなのだろうか。もとより「包摂」は「排除」と対概念で、メンバーシップの境界設定をめぐるポリティクスであるのだから、包摂されるメンバーシップには原理的に臨界点がある。とするなら、どのような政治力学によって特定のメンバーが歓迎すべき構成員として包摂され、あるいは歓迎されないヒトとして排除されたりするのか。「ダイバーシティ/ Diversity & Inclusion」の取り組みは、このような困難や難題といかに向き合ってきたのだろうか。 この授業では、「ダイバーシティ/ Diversity & Inclusion」に関する理論・実証研究を学んだうえで、国連や特定の国家、自治体、大学、企業の関連施策を調査し、批判的に分析してもらう。これらを通して「ダイバーシティ/ Diversity & Inclusion」をめぐる近年の国内外の動向や問題を把握し、その課題を乗り越えるための批判的な視座の獲得を目指す。 *東京大学(2022)「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」 https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400197067.pdf 授業に対する貢献度(発表やディスカッションへの参加)を総合して評価する。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time A 時間割コード 時間割コード 51427 成績評価方法 教科書 ガイダンス 51104 授業の目標概要 当ゼミは、1992年度から川人博弁護士が中心になり担当してきた。今学期も川人弁護士の協力を得て、当ゼミの出成績評価方法 教科書 ガイダンス 開講 「ダイバーシティ/ 開講 法と社会と人権 -社会の実態を知り,人権を学び考えるDiversity & Inclusion」再考 A 身者である石井眞紀子弁護士が担当する。中川素充弁護士及び笠置裕亮弁護士(当ゼミOB)も協力する。 Aセメスターのテーマとしては、メディア、国際、ジェンダー、司法、労働を予定している。 文Ⅰは勿論、文Ⅱ・文Ⅲ・理Ⅰ・理Ⅱ・理Ⅲの学生も歓迎する(例年、文Ⅰ以外の学生も多く参加している)。 人権問題を考えるにあたって大切なことは、社会の実態をよく知ることである。このゼミでは、従前より、普段の授業時間での講義以外にフィールドワークを実施している。事件現場、NGO、法律事務所、官公庁、企業、労働組合、裁判所、少年院、刑務所、入管、テレビ局、新聞社、病院などに出向き、様々な当事者、専門家、弁護士、医師、公務員などから話を聞く。様々な職に就いている当ゼミ卒業生との交流も随時行う。 これらのフィールドワーク(主として平日午後6時40分以降、土日祝日に実施)は、今学期を通じて15回以上実施予定である。いずれかを選択して、計1回以上参加すること。 金曜5限の授業では、10月~12月上旬は講義形式(各分野の最前線で活躍している人たちをゲストとして)を中心にし、12月~1月はテーマ班ごとに、授業やフィールドワークで学んだことをまとめて、論考を作成してもらうとともに、学生発表を実施する。 ※ ガイダンスは10月4日5限(第1回授業時)におこなう。 日常のゼミ活動、学生発表及び学期末レポートにもとづく合否判定 講義及びフィールドワークで学んだことを基礎にして、上記発表を行い、かつ学期末レポートを作成すること 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 川人 博 編著 『テキストブック現代の人権第4版』 日本評論社 978-4-535-51725-7 なし 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 講義題目 講義題目 - 担当教員 福永 玄弥 教養教育高度化機構 金 3 担当教員 学生による全学自由石井 眞紀子 所属 所属 研究ゼミナール 曜限 単位 対象 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 2 金 5 2

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