1年 文科 理科 2年 文科 理科 月 1 A 1年 文科 理科 2年 文科 理科 月 5 A 時間割コード 時間割コード 総合科目 B(国際・地域) 50014 講義題目 授業の目標概要 成績評価方法 教科書 ガイダンス 50206 講義題目 授業の目標概要 成績評価方法 教科書 ガイダンス 開講 授業科目名 東洋古典学 開講 授業科目名 歴史社会論 月曜1限、『論語』を読む 東大生なら一度ならずお世話になる心のふるさと1号館が、新たな時代に適応するため改修工事に入る。ところがそのせいで、他の建物の稼働率を高める必要が生じ、1限の授業がいつもより増える。月曜1限が、これほど求められたことはない。 2020年度、コロナ禍の中で水曜5限に「東洋古典学」を開講したときは、『荘子』を読んだ。すべての授業がオンラインという異常事態の中で、現実を超越する『荘子』の思想が、切実さをもって迫ってきたからだ(受講生がどう感じたかは知らない)。頭が柔らかい前期課程のうちに『荘子』を読んでほしいという思いは今も変わらないが、休み明けの頭で逍遥の世界に遊んだのでは、その週の学習に影響しないとも言いきれない。今回、月曜の朝っぱらから学生を呼び出して何を読むか。『論語』だ。『論語』しかない。 とはいえ、先生の後についてみなで大声を出して『論語』の素読をするとか、『論語』の人生訓で寝ぼけた頭に活を入れるとか、そういうことをする気はない。ここは大学だ。原文で、辞書と自分の頭を使って読もう。もちろんいきなりは読めないから、注釈の助けを借りることになる。いや、注釈とは、単に読解の補助としてあるのではなく、古人が古典と格闘した記録でもある。注釈を読むことは、自らもまた注釈者とともに格闘することでもある。 もう一つ、普通に手に入る『論語』の訳とは違った視点を持って読もう。ここでは、伝承文学として『論語』を捉えてみたい。『論語』を読む人は、普通は、孔子の人や思想に迫ろうとする。それが間違いだというのではないが、「子曰く、述べて作らず」というように、孔子は自分で著作したのではない。『論語』に記された言葉は、何世代もの多くの伝承者の手を経たものである。テキストと向き合う中から見えてくるのは、孔子その人以上に、孔子の言葉を伝えようとした人々の思いであるはずだ。 こうした試みを通じ、既存の訳を読むよりも深く『論語』にふれることができたなら、目標は達せられたことになる。 レポートを主とし、平常の状況を何らかの形で勘案する。 レポートの評価に際しては、『論語』の原文にふれたことで自分が何を得たかを重視する。授業で扱うのは『論語』のうちほんの一部であるから、レポートを書くためには、翻訳の助けを借りつつも、自分で『論語』原文に接することが必須になる。 なお、授業で提供するのは一つの視点であって、それに沿って書くことを強いるものではない。ただし、自分が考えたことを相手に伝えるのにそれなりの技術と思想が必要であることに変わりはないから、それによって評価が甘くなるということにはならな プリントを配布する。/Will distribute handouts 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 複合国家ブリテンと近世ヨーロッパ 現在のイギリスは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、(北)アイルランドから成る立憲君主制の連合王国である。近年、王国を構成する各地域で自治の機運が高まり、その動きはEU脱退を受けてさらに複雑化している。歴史的にみても、王権と議会、教会、そして「三王国」との関係性の調整は、イギリスの国制問題の基幹を成してきた。この背景には、ヨーロッパ規模での宗教改革や諸革命を通じた新秩序の形成過程がある。 本講義では、イギリスをヨーロッパ史/大西洋史/世界史のなかで位置づけながら、近代世界の形成を考察する。具体的には、18世紀を中心に名誉革命からフランス革命までのイギリスとヨーロッパを扱う。これらを通して歴史学的思考法を学び、過去と現在の政治・文化・社会のありかたへの関心をもつことを目標とする。 平常点と期末試験によって評価する。 教科書は使用しない。/Will not use textbook 第一回授業日に行う。/Will conduct guidance at first time 担当教員 谷口 洋 担当教員 後藤 はる美 所属 国文・漢文学 所属 歴史学 曜限 曜限 対象 対象
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