2023Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 31599 木 3 授業の目標・概要 脳は神経細胞集団が電気的な信号をやりとりすることによって、高度な情報処理を行うシステムである。従って、神経細胞集団の電気的な活動の中には、様々な情報(視覚・聴覚・思考・感情・意図, etc.)が「暗号化」されていると考えることができる。脳の暗号を正確に読み取る方法(「デコーディング」と呼ばれる)を確立させることは、脳という情報処理システムを理解する上での一つの究極の目標と言える。この講義では、近年、急速に質・量ともに大幅に向上している脳計測データを実際に解析し、脳計測データから脳活動が暗号化している情報を、統計や機械学習の手法を使って読み取る方法論を学ぶ。 脳計測データは公開されているデータから自分が興味のあるデータを選ぶ。講義では、はじめにデータを選ぶために必要な、神経科学分野の論文の読解方法を学ぶ。次に、そのデータを解析するのに必要な、初歩的なプログラミング技術、統計、機械学習の基礎を学ぶ。はじめは既に報告されている解析結果の再現を行い、可能であれば自分なりに簡単なテーマを設定して、脳活動データの解析を行い、解析結果を報告することが最終的な目標となる。 講義の目標は以下である。 1.脳科学分野の論文を読み解く技術を学ぶ。 2.公開されているデータを探索し、活用する技術を身につける。 3.データ解析のための基礎的なプログラミング技術を学ぶ。 4.脳情報のデコーディングに必要な基礎的な統計、機械学習の方法を学ぶ。 5.自分なりの簡単なテーマを設定して、脳活動データの解析を行う。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 成績評価方法 授業のキーワード 授業のタイプ(実験データ解析型)、脳科学、脳情報デコーディング、プログラミング、統計、機械学習 教科書 ガイダンス 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門・増田建・坂口菊恵編 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 31600 木 3 授業の目標・概要 (授業の背景) 薬学部では、生命現象の理解を究めつつ、創薬を視野に入れた基礎研究を行っています。生命現象を深く理解するためには、生物を構成する最小単位である細胞について詳しく理解する必要があります。細胞のことを詳しく知る方法として、正常な細胞と異常な細胞を比較して、その違いがどこから生じているのかを調べることは、とても有効な手段です。数多ある病気の原因は様々ですが、究極的には特定の細胞の機能異常が病気を引き起こしているとみなすことができます。逆に言えば、病気の原因を探ることで、正常な細胞の本来あるべき姿を理解する上で手がかりにもなることを意味します。 (授業の目標) 本ゼミナールでは、創薬の対象となりうる各種の病気やその発症原因について学習しながら、正常な細胞の姿の一端を学ぶことを目的とします。さらに、疾患を治療するためには、どのような戦略を取り、どのような創薬ストラテジーがあるのかということをグループで考え、プレゼンテーションも行います。一連の作業を通じて文献やデータベースの探索方法、論文読解、グループディスカッションの仕方、わかりやすいスライドの作成・発表方法などの習得も目指します。 初年次ゼミナール理科の評価方法によって評価します。 成績評価方法 授業のキーワード 論文読解型・問題解決型、生物学/薬学、細胞生物学、分子生物学、創薬、グループワーク 教科書 ガイダンス 次の教科書を使用する。/Will use the following textbook 書名 著者(訳者) 東京大学教養教育高度化機構初年次教育部門・増田建・坂口菊恵編 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 脳の暗号解読方法 薬学を支える生物学の役割と貢献 科学の技法:東京大学「初年次ゼミナール理科」テキスト 東京大学出版会 科学の技法:東京大学「初年次ゼミナール理科」テキスト 東京大学出版会 大泉 匡史 中嶋 悠一朗 教養学部 (物理部会) 薬学部

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