2023Sシラバス
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―個人の経験を歴史として書く— 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 この授業では、それぞれの受講者の祖父母など、身近な人を対象とした聞き書きをおこない記述するというもっともシンプルな形の歴史研究を体験する。 担当者が専門とする民俗学は、「あるく・みる・きく」、すなわち、自らの身体と五感を使ってさまざまな土地に暮らす人びとの生活を理解しようとする方法を、学問の中に位置づけようとしてきた。本ゼミナールでは特に「きく」を中心にすえて、個人の経験を具体的に記述するとともに、歴史的・社会的なひろがりにおいてとらえることを目指す。 最終レポートに向けては、以下の4つを求めたい。①その人の具体的な経験にこだわり、詳細に記述すること。②それをより一般的・普遍的な文脈にそって解釈するために、個人の経験の外側との関係を意識すること。③一般的・普遍的な文脈にそって解釈するのにあたって、先行研究との対話をすること。④読者を想定し、読ませるストーリーと文体で書くこと。 【学術分野】民俗学/歴史学/文化人類学 【授業形態】フィールド型 出席、発表および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 初年次ゼミナール文科 31777 木 3 授業の目標・概要 【共通目標】 成績評価方法 授業のキーワード 聞き書き、歴史、民俗学、ライフヒストリー 教科書は使用しない。/Will not use textbook 教科書 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 ガイダンス 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 方法としての聞き書き 塚原 伸治 歴史学

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