2023Sシラバス
48/393

初年次ゼミナール文科 31746 火 3 授業の目標・概要 【共通目標】 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2週の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】大学に入って社会科学を専攻するということがどういうことであるのか、そうした理解の手がかりをつかむことを目標とする。政治学という特定のディシプリンに限定するということではなく、広く社会科学全般の方法論に基づいて政治という現象を理解することを目的とする。そのうえで、以下の点について、各自が、授業における指導や学生相互の評価などを通して、自分の能力を切磋琢磨することを目標とする。 ➀ 課題の発見能力:自分のオリジナルな課題設定が求められる。「驚き」(自分の持っていた常識では測りきれない現実に直面する)とそれに対する社会科学的な認識(なぜ、そうした「驚くべき」現象が起こったのか。また、なぜ、従来の「常識」では、そうした新しい現象がおこることを予測し、理解することができなかったのか。) ② 仮説の提示能力:問題意識をいかに具体的な仮説に転換することができるか。問題意識を「仮説」という形で設定し直し、それを実証していくという作業に取り組む。仮説というのは、最も簡単な形では、2つの変数(事象)を見つけて、その2つの変数が、どのような条件のもとで、どのような関係(因果関係や相関関係など)にあるのかを提示することである ③ 調査・資料収集能力:いかに「汗を流して」自分の考え方を確かなものにする地道な作業を根気よく行えるか。⑴先行研究にあたる。(作成した文献リストを活用し、重要なものを中心にして当該問題に関して、どのような議論が展開されているのか、どのような争点が存在するのかを中心に整理する。)⑵具体的な資料・データを集めて、それを検討する。仮説を実証するためには、どのような資料やデータが必要なのか。そして、そうした資料やデータはどこから入手するのか。また、そうした資料をどのように解釈するのか。 ④ 発表:いかに相手(特に自分とは意見を異にする人)を納得させられるか。レジュメの書き方や提示資料の選択を工夫することによって、いかに聴衆を飽きさせずに、興味関心を共有できるような発表を行うか。 ⑤ 論文の作成:自分の意見や構想を一方的に発表して、それで自己満足に浸るだけではだめである。自分の意見がなぜ正しいのか、もしくは説得力を持つのかを、具体的な証拠を提示することによって示す。 【学術分野】法・政治 【授業形態】ディシプリン・フィールド融合型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する 成績評価方法 授業のキーワード 社会科学、ポストコロナの社会、仮説、実証もしくは反証、事例比較、相互評価 教科書 ガイダンス 教科書は使用しない。/Will not use textbook 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 社会科学における仮説の設定とその検証 木宮 正史 法・政治

元のページ  ../index.html#48

このブックを見る