2023Sシラバス
41/393

大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 フィールドで要領よく情報収集をし、オリジナリティーにとんだ「発見」を導き出すためには、一定のアカデミックスキルに従って「問い」を組み立て、論理的に「答え」てゆく必要がある。 この授業では、文化人類学というディシプリンにおいて育まれてきた「問い」の立て方を学びながら、自らの生活時間・空間をフィールドに見立て、情報収集を行い、オリジナルで、かつアカデミックに意味のある「問い」を立て、それに対する「答え」を導き出す作業を行ってゆく。 この授業で枢要な部分をなすフィールドワークは、日常生活の中で出会う場、空間、時間を援用しながら行ってみる。毎日乗る通学電車、好きな授業、部活動やサークル、アルバイト先、隣近所、SNS、行きつけのカフェ等が具体的には思い当たる。 こうした身近な生活時間・空間が、ちょっとしたアカデミックスキルや文化人類学的な視座を通して見つめなおすことにより、大きく「化ける」発見こそ、この授業を通して獲得してほしい事柄である。いまのところ、授業時間を使って皆でフィールドに出かけたり、特別な場を設けてフィールドワークをする予定はない。 自らの生活に埋め込まれている思わぬ「発見」は、地道なアカデミックスキルの獲得作業と先行研究分析により、かなり大きな確率で導かれることを理解してもらう。加えて、フィールドワークが、単なる量的な情報収集などではなく、人々との信頼関係や自らのフィールドへの持続的な働きかけにより、質的に大きく変わってゆくダイナミックな作業であることも理解してもらえるよう、個々の学生の継続的かつ積極的な参加を促したい。 【学術分野】文化人類学 【授業形態】ディシプリン型 & フィールド型 出席、報告および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 初年次ゼミナール文科 31739 火 1 授業の目標・概要 【共通目標】 成績評価方法 授業のキーワード 文化人類学、フィールドワーク、相対化、学際的視点、フィールドノート、エスノグラフィー 教科書 ガイダンス 授業中に指示をする。/Will specify at class time 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 日常生活の「当たり前」を再考する 関谷 雄一 文化人類学

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る