2023Sシラバス
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大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 「言語とフィクションの哲学」をテーマとします。このテーマを通じて、哲学的な思考方法と身近な事象との接点を考えることが目標となります。 現代の哲学においては、言語を考察・分析手段の中心とする方法が広く用いられています。言語(文や語ないし概念)についての論理的な分析を通じて、私たちが日々おこなっている思考の前提やプロセスを明確にし、そこから問題を取り出しながら、推論・検討を進めていくという方法です(歴史的経緯から「分析哲学」とか「英米系哲学」などと呼ばれることもあります)。 この方法は、哲学のさまざまな問題に応用されているものですが、この授業では、みなさんにとってもなじみのあるフィクション(映画、ドラマ、アニメ、演劇、小説、etc.)への応用をとりあげます。フィクションの考察に、言語が深く関わることは説明を要さないでしょう。 (1)具体的にどんな形でどういうことが分析・検討されるのか、基礎的な文献を受講者全員で読みながら学び、議論します。 (2)言語とフィクションに関する以下のトピックについてさらに詳しく検討します: ・フィクションは非フィクションとどのように区別されるか ・虚構の存在(キャラクター)とはどのような存在か ・フィクションへの「共感」はどのように考えられるか ・フィクションに関する「真理」はあるのか (3)これらの問題を踏まえて、受講者自身の関心にそった小論文を執筆してもらいます。 【学術分野】哲学・科学史 【授業形態】ディシプリン型 出席、発表および議論への貢献等の平常点と小論文とで判断する。 なお、この授業では、多くの英語文献を読むことが必要になります。どのような学問分野でも、英語の文献を読むことは避けて通れません。英語力そのものを評価対象にするものではありませんが、かなりの分量を読むことになるので、そのことを前提に受講を検討してください。 初年次ゼミナール文科 31765 水 4 授業の目標・概要 【共通目標】 成績評価方法 授業のキーワード 哲学、言語、言語哲学、英語、フィクション 教科書 ガイダンス 授業中に指示をする。/Will specify at class time 書名 著者(訳者) 出版社 ISBN その他 第1回授業日に行う。ガイダンス教室については掲示板等で告知する。 言語とフィクションの哲学 斉藤 渉 ドイツ語

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