2023Sシラバス
352/393

授業の目標概要 【注意】この授業は、開講日程の都合上成績が前期課程修了要件に反映されない見込みが高いので、履修にあたっては時間割コード 31550 開講 生命の普遍原理に迫る S 研究体験ゼミ 十分に注意すること。 東京大学生物普遍性連携研究機構(Universal Biology Institute, UBI)に関連する研究室で研究体験型のゼミをおこなう。過去半世紀にわたる生命科学の進展により、我々は生体内で起こる分子レベルの反応の詳細や、それに関わる分子種についての膨大な知識を集積してきた。一方で、それら分子が総体として織りなす「生きている状態」とは、そもそもどういう状態なのか?そして、そのような状態を特徴付ける法則や原理は何か?このような基本的な問題について、我々人類はまだほとんど理解できていない。この問いは生物学のみに閉じた課題ではなく、現象の記述と理解に必要な数理科学の発展や、新たな実験・計測技術の開発を必須とする。この意味で現代生命科学は科学諸分野のフロンティアを押し広げるともに、これらを再統合する現場ともなっている。UBIでは、生物に共通する普遍的な法則とメカニズムの解明を目指し、従来の生物学の枠を越えて、数理科学、理論物理、分子生物学、生物物理学、進化生物学、有機化学、ナノバイオテクノロジー、細胞イメージングなど、広範な分野の研究者が共同で研究に取り組んでいる。 本ゼミでは、通常の学生実験や授業とは異なる、最先端の科学研究の現場を体験する機会を提供する。履修者は下記のいずれかの研究室に配属し、学問分野の垣根を越えた、分野横断的な科学研究に触れながら、基本的な実験技術やデータ解析手法を学習したり、数理演習や計算機実習を通じて理論研究の基礎を学んだりする。未知の分野にチャレンジし、将来的に自ら新しい分野を開拓していこうと思う意欲的かつ野心的な学生を歓迎する。 担当教員と研究テーマ 【駒場キャンパス】 澤井 哲: 細胞のナビゲーションを、実験的・理論的に理解する 若本 祐一: 細胞表現型ゆらぎと適応・進化の関係を探る実験研究 石原 秀至: 生命現象の数理モデルのシミュレーション 豊田 太郎: 人工細胞観察デバイスを微細加工技術で創って,人工細胞を実際に観察する 市橋 伯一: 無細胞転写翻訳系における遺伝子発現量を機械学習により予測する、もしくは既存の機械学習モデルを解釈して遺伝子発現に影響する要因を発見する 柳澤 実穂: 細胞モデルを用いた生命現象の物理的理解 大泉 匡史: 大規模な神経活動データにおける神経情報表現の構造の解析 晝間 敬: ディープラーニングを用いた植物根系の自動定量技術の開発および活用 小林 徹也: 生体の情報処理と進化における最適性・物理制約を数理と情報から考える(駒場IIキャンパス) 【本郷キャンパス】 古澤 力: 進化過程の計算機シミュレーションによって何が解るか? 岡田 康志: 顕微鏡を作って生きた細胞を計測する 伊藤 創祐: 情報理論やゆらぎの熱力学を用いた生命現象の理論研究 杉村 薫: 多細胞パターン形成を物理と統計の眼で理解する(統計解析もしくは実験研究) 【柏キャンパス】 岩崎 渉: 「生物情報科学」でひもとく生命システム進化・生物多様性 石川 麻乃: 分子と生態を横断し、生物の適応進化を理解する 最新の情報は以下を参照。 https://rcis.c.u-tokyo.ac.jp/education/ 講義題目 担当教員 石原 秀至 生物普遍性研究機構 集中 所属 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2 2年 文科 理科 全学自由研究ゼミナール

元のページ  ../index.html#352

このブックを見る