2023Sシラバス
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(物質・生命) 時間割コード 30825 時間割コード 30098 時間割コード 31711 総合科目 E 講義題目 授業の目標概要 講義題目 授業の目標概要 講義題目 授業の目標概要 開講 S 惑星地球科学Ⅰ(理科生) 開講 S 惑星地球科学Ⅱ(理科生) 開講 S 地球惑星物理学入門 地球惑星科学入門Ⅰ:現在の惑星地球の姿/Introduction to Earth and Planetary Science I: Planet Earth today 惑星地球科学Ⅰ・Ⅱを通じて、我々人類が生活する惑星地球の姿およびその起源・進化を理解する。惑星地球科学Ⅰでは現在の地球の姿を中心に、その表層環境(大気・海洋)と気候、内部構造(地殻・マントル・コア)、ダイナミクス、物質循環について解説する。地球をその他の惑星と比較しながら理解するため、太陽系やその外の惑星系についても紹介する。/Through Earth and Planetary Science I and II, we aim to understand the planet Earth on which we live, as well as its origin and evolution. Planetary Earth Science I focuses on present-day Earth, outlining its surface environment (atmosphere and oceans), climate, internal structure (crust, mantle, and core), dynamics, and material cycling. In order to understand Earth in terms of comparative planetology, other planets in the solar and extrasolar systems will also be introduced. 地球気候の形成・変動と大気海洋システム ノーベル平和賞にも輝いた2007年発表のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書は,地球温暖化と環境変化に関する社会の大きな関心を呼んだ.だが,2011年の原発事故を経て,地球温暖化への日本社会の関心は一見低下したかに見えた.一方,2018・19・20・21・22年暖候期に実際に経験したように,社会に大きな影響を及ぼす猛暑・冷夏,暖冬・寒冬,豪雨・旱魃などの異常気象への関心は防災・減災上の観点から益々高まりつつあり,異常気象と地球温暖化との関連性が依然として議論されている.こうした折,一昨年夏IPCCから第6次評価報告書が発表され,地球温暖化への関心が再び高まりつつある.人間活動に伴いCO2など大気中の温室効果気体の濃度が増加し,地上気温に見られる顕著な上昇傾向は紛れもない事実である.IPCC評価報告書では,今世紀末までに顕著な温暖化が予測されており,海面上昇や海氷域の顕著な減少,海洋の酸性化,中緯度大陸の乾燥化など,地球環境に及ぼす深刻な影響が懸念されている.国連の「持続可能な開発目標 (SDGs)」の達成も,地球温暖化・気候変動問題の解決なくしては困難であろう.我が国でも原発事業が縮小される中,再生可能エネルギーへの移行が順調に進まない限り,温暖化リスクがさらに高まる可能性も否定できない.そうした中,2015年末に「パリ協定」が締結されて地球温暖化に対する世界的な取組みが開始され,日本政府もようやくその方向に舵を切った. このように,地球温暖化に対する様々な緩和策や適応策が採られつつある中,まず求められるのは地球気候の成立ちとその過去から現在に至る変遷,さらには温暖化のメカニズムと予測される気候の将来変化に関する科学的理解である.本講義の目的は正にそれであって,地球温暖化を環境問題として社会倫理の観点から論じたり,温暖化の事実や予測をただ受け容れた上でその対策について論じたりすることでもない.平均状態として温暖化しつつある大気海洋系も,内在する自然変動のために常に揺らぎ,過去に例のない極端な天候が生起しやすくなっている.最新の研究により,温暖化シグナルがこうした自然気候変動パターンの変化として現れやすいこと,それ故に温暖化シグナルの地域予測にある程度の不確実性が不可避なこと,さらには10年規模の長期自然変動により地球温暖化が加速したり停滞したりすることなどが示唆されている.よって,気候系の自然変動や天候変動のメカニズムの理解を深めることも,温暖化した将来の防災・社会適合上の観点からも重要である. 本講義では,受講者が高校で地学を履修してこなかったことを前提とし,地球気候の成り立ちや大気・海洋の循環やその変動のメカニズムの基礎を解説したのち,地球温暖化やオゾンホールに代表される人為的気候変化のメカニズムや予測されている気候への影響について解説する. 物理で理解する地球惑星科学 地球惑星でおこる多くの現象は、物理学的なアプローチで研究されている。たとえば、気象は流体力学、地球内部は固体物理学、宇宙空間はプラズマ物理学、惑星形成は天体力学などを基礎としてさまざまに展開している。本講義では、このような物理学について基礎方程式を示すとともにその背景にある物理的意味を詳説し、具体的にそれがどのように最新の地球惑星物理学研究の中で使われているかを講義する。 授業科目名 授業科目名 授業科目名 担当教員 黒川 宏之、小宮 剛 宇宙地球 木 1 担当教員 中村 尚、升本 順夫 宇宙地球 月 2 担当教員 橘 省吾 所属 曜限 所属 曜限 所属 曜限 理学部 火 2 対象 1年 理科 2年 理科 対象 1年 理科 2年 理科 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科

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