2023Sシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 木 5 2年 理科 火 2 S 時間割コード 時間割コード 総合科目 E(物質・生命) 31727 S1 講義題目 授業の目標概要 30370 講義題目 授業の目標概要 開講 授業科目名 化学薬学概論 開講 授業科目名 超分子化学 ケミカルバイオロジーⅠ(化学からみたケミカルバイオロジー) 医薬を創製し、人類の健康を守ることは薬学の大きな目標の一つである。この目標のために、薬学では、生体や疾患の仕組みを解明するための研究、薬や毒などの物質と生体との相互関係を解明するための研究、生体に有用な物質を創製するための研究などが、互いに連携をとりながら日夜進められている。本講義では、薬学研究の中から主として有機化学あるいは物理化学研究を取り上げ、これらの研究が新薬の創製にいかに重要であるかを平易に解説する。 分子認識と分子自己集合 殆どの場合,分子は孤立して存在するというより,常に他の分子と相互作用している.特に溶液中では,必ず分子間における相互作用が存在する.このような分子間相互作用は分子骨格を形成する化学結合(共有結合)に比べとても弱いが,分子間相互作用が生命系の複雑な仕組みと深く関わり,秩序立ったシステムの形成・維持に寄与している.本授業では,ほぼ全ての分子間相互作用を扱い,さらに分子間相互作用の理解を深めるため,分子軌道により解釈される共有結合との比較も行う. 水素結合やファンデルワールス力は分子間相互作用の一つで,高校化学の教科書でも取り扱われている.しかし,分子間相互作用について,いくつもの基本的な疑問がある.水素結合はどういう元素間で形成されやすく,なぜそうなるのか?DNAの塩基対は水素結合で形成されているが,ATペアよりGCペアの方が強いのはなぜか?単に水素結合の数だけで説明して良いのか?タンパク質はポリペプチドから形成され,アミド間の水素結合により一義構造へ折り畳まれるが,なぜアミド結合が選ばれたのか?なぜ水に溶けにくい物質は水を嫌って集合化するのか?また,水以外にこのような特性を示す溶媒は存在するのか?ファンデルワールス力は分子間相互作用の中で最も弱いが,無視できるほど弱いのか?分子が自発的に集合し,秩序構造を形成する自己集合という現象は,生命システムの形成に欠かせないが,どうやって自己集合体が形成されるのか?自己集合も化学反応の一つだが,その反応機構は,一般的な化学反応と同じような考え方で解釈できるのか? 本授業では,これらの問題について「分子間相互作用」というキーワードをもとに合理的に考え,結論を導き出していく. 担当教員 船津 高志 担当教員 平岡 秀一 所属 薬学部 所属 化学 曜限 曜限 対象 対象

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