2023Sシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 水 5 S 1年 文科 理科 2年 文科 理科 火 2 S 1年 文科 2年 文科 金 2 S 時間割コード 時間割コード 時間割コード 総合科目 E(物質・生命) 30796 講義題目 授業の目標概要 30368 講義題目 授業の目標概要 31096 講義題目 授業の目標概要 開講 授業科目名 統計物理学 開講 授業科目名 現代物理学 開講 授業科目名 物理科学Ⅰ(文科生) 統計物理学 統計物理は, 自然界の身近なマクロな現象をミクロなレベルから解き明かす,現代物理学の基礎的な学問である. 鉄は何で磁石に引かれるのだろう?ゴムは良く伸びるけど,手を離せばもとに戻ってしまう, そんな身近な疑問も, 分子, 原子, 電子といったミクロな構成要素が 無数に集まって統計的にどう振る舞うかを定式化すれば 簡単明瞭に理解することができる. 熱力学では抽象的なマクロ変数をもとに熱平衡という概念を扱った. その際にエントロピーという一見正体不明の物理量が出てきただろう. ところが統計物理の言葉では, そのエントロピーの正体も少数の原理を仮定するだけで, 実に明快に定義することができるのである. 本講義では, 統計物理の枠組みを初歩から理解し, そのうえでゴムや磁石などの問題を具体的に取り上げ, 物理学の面白さを知ってもらい, また物理的なものの見方を理解してもらうことを目標にする. 整数量子ホール効果の物理と数理 電圧 V を掛けた方向に電流 I が流れるというのは高校の物理でも習うところだが、物質によっては電圧を掛けた方向に直交した方向に電流が流れるという「ホール効果」がある。この場合、比例関係を I = σ V として σ をホール伝導度というが、さらに特別な状況では、このホール伝導度 σ が e を電子の電荷、h をプランク定数、厳密に e^2/h の整数倍となることが 1980 年に実験的に発見され、数年後には理論的に説明された。これを整数量子ホール効果とよび、ここ十年ほど盛んになっているトポロジカル物性の研究の先駆けであり、かつ、もっとも基本的な場合と考えられている。 また、整数量子ホール効果はトポロジカル物性への数理物理的なアプローチにおいても基本的な対象であり、e^2/h の偶数倍だけでなく奇数倍が許されるのは、電子が数学的にはスピノルという、360 度回転ではもとに戻らず 720 度回転ではじめて元に戻るもので記述されることに加え、四次元スピン多様体の交叉形式が偶であるという数学的事実に関係していることが知られている。 この講義では、これらの事実について、意欲的な学部二年生なら理解できるよう説明していきたいと思っている。 理論物理学の技法: 空間/時間/物質 理論物理学の技法を、自然現象および(量子)デバイスなどの具体的な例および実験結果に即して学ぶ。 その過程で、古典/量子物理の基礎を身につけることを目指す。 また現代(そして未来)のテクノロジーとの関連も議論する。 基礎から学ぶので予備知識は不要です。 担当教員 堀田 知佐 担当教員 立川 裕二 担当教員 守田 佳史 所属 物理 所属 物理 所属 物理 曜限 曜限 曜限 対象 対象 対象

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