2023Sシラバス
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【目標】 - 1990年代以降の開発と安全保障の融合や「人間の安全保障」概念が前提とする考え方およびそれらに基づく実践事例について理解したうえで、それらの課題やジレンマについても考察することができる。 - 2010年代後半以降(とりわけ2020年以降)に表面化した、開発と安全保障に関連する業界に対する批判や再考の動きを把握し、その展望を考察することができる。 【概要】 冷戦終結後の国際政治学や国連等での政策論議においては、既存の「安全保障」概念が見直され、「人間の安全保障」といった概念が提示された。同時に、主に「南」における「新しい戦争」や暴力が問題視され、開発上の諸問題は戦争や暴力の発生リスクを高める要因とみなされた。研究や政策論議における開発と紛争予防や平和構築との境界線は曖昧化し、開発問題と安全保障問題は不可分のものとみなされていった。 本講座では、こうした認識に基づいて行われてきた研究や、条約等の合意形成、そして個々の現場での取り組みを紹介し、研究と実践の双方において生じた成果やジレンマ、課題を考察する。 とりわけ、講座の後半では、近年の#MeToo運動や新型コロナウイルス感染症をめぐる状況、Black Lives Matter運動の展開、ロシアによるウクライナ侵攻などを背景に生じた、開発・安全保障関連業界に対する批判や再考の動きに焦点を当てる。 時間割コード 30355 時間割コード 31086 時間割コード 31087 講義題目 授業の目標概要 講義題目 授業の目標概要 講義題目 授業の目標概要 開講 授業科目名 S 現代国際社会論 開講 授業科目名 S 現代国際社会論 開講 授業科目名 S 平和構築論 現代アフリカと国際関係 趣旨 国際社会の中において、(主に独立後の)アフリカ諸国が抱えてきた諸問題を俯瞰するための多角的な視点を提供する講義等を行う。アフリカ諸国の国家の特徴、政治経済の論理、国際社会、あるいはグローバル化との関わり、多発する紛争とその対応や紛争後の課題などの問題を検討する。また、これらの作業を通じて政治学、ならびに国際政治の理論に提起されてくる諸問題について考察を加える。 アフリカ大陸は、現在大きな変貌を遂げている地域である。急速な人口増加や経済成長といった要因とも連動する形で、今後国際的にも大きな課題を提起する地域として位置づけられる。。日本も、アフリカ大陸への関心を強めており、2016年8月末には、第6回アフリカ開発会議(TICADVI)が初めてアフリカ大陸(ケニアの首都ナイロビ)で開催され、2019年8月末には横浜で第7回アフリカ開発会議(TICADVII)が開催され、2022年8月にはチュニジアで第8回アフリカ開発会議(TICADVIII)が開催された。コロナ禍のもとでの格差問題や、ロシアによるウクライナ侵攻による食糧供給の停滞などで、一部地域では食糧危機が迫っている。 そこでこの授業ではアフリカという地域を通して、改めて現代における国際社会を再考する機会を設ける。授業実施方式については対面・オンライン併用型Aとし、初回のみをオンライン実施し、2回目以降については対面で実施する。 アフリカが抱える問題の検討を通じて、国際社会が直面している課題についての想像力を涵養し、今後の対応を考えるための構想力・想像力を喚起することをねらいとする。 平和構築の理論と実践 21世紀の世界では武力紛争を起因とする深刻な人道危機や大規模な難民の発生が問題となっています。本授業では武力紛争の原因やその影響に関する基礎的な理解を深めます。そして、人権、民主主義、人間の安全保障、保護する責任といった規範的概念をキーワードに、平和構築の理論と実践に関する知識を習得します。その上で、武力紛争の影響を受け、脆弱な立場に置かれている人々の人間の安全保障を実現するための方法について考察します。 担当教員 遠藤 貢 担当教員 榎本 珠良 担当教員 宮下 大夢 所属 国際関係 所属 国際関係 所属 地域文化研究専攻 曜限 火 2 曜限 金 2 曜限 金 2 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 総合科目 B(国際・地域)

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