2023Sシラバス
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2年 文科 理科 火 2 2年 文科 理科 火 2 S 2年 文科 理科 金 5 S 時間割コード 時間割コード 時間割コード 展開科目 人文科学ゼミナール 展開科目 人文科学ゼミナール 31268 S 講義題目 授業の目標概要 この授業では、フィリピン史から、フィリピン文化と社会について学びます。フィリピン社会の変遷を、長期的な視線から見ていくことを試みます。あえて数十年、数百年単位でフィリピン史を見ることにより、現在のフィリピンを見つめなおします。 ある時期にある本が書かれること自体が、その歴史的背景から切り離せません。日本においては日本史全集や世界史全集は、マンガも含めて数多く編まれてきています。他方、フィリピンの場合、いわゆる歴史全集は、1978年頃刊行のFilipino heritage : the making of a nation(全10冊)、そして1998年頃刊行のKasaysayan: the story of the Filipino people(9冊、年表1冊)の二回しか編まれてきていません。両方とも、イラストや写真など画像が豊かで、英語で書かれています。まずは、これらの二つの資料集を基本文献とし、一緒に読んでいきます。 その上で、東南アジアにはコーヒーテーブルブックと呼ばれるジャンルの本があります。大きくて重い本で、多くの場合、写真集と言って良いような体裁です。このジャンルの本も見ていき、その時代、時代で、何がフィリピン人にとって重要だったのかを考えていきます。また、映像や歌も紹介すると思います。 授業の狙いとしては、グローバル・サウスの研究は往々にして政治経済の研究になってしまうので、そうではない歴史像を提供することにあります。そこで、フィリピン人にとって重要だと思うことを学んでいきたいということです。ただ、同時に、ある資料が書かれる背景にも目を向けます。Filipino Heritageはマルコス独裁政権に書かれています。他方、Kasaysayanは民主化から10年後に刊行されています。それぞれの時代に何が言えたのか、どのような歴史理解が求められたのかも考えていきます。| 31668 講義題目 授業の目標概要 31207 講義題目 授業の目標概要 開講 授業科目名 人文科学ゼミナール(歴史学) 開講 授業科目名 人文科学ゼミナール(歴史学) 開講 授業科目名 人文科学ゼミナール(文化人類学) 歴史全集とコーヒーテーブルブックから学ぶフィリピン史 考古資料から過去を読む 日本において考古学は歴史学の一つとして捉えられているが、人類学や遺伝学、年代測定を含む分析科学などの広い隣接諸分野との連携をもとに、多角的手法から「過去」にアプローチする学問でもある。遺跡から出土する遺物は土器、石器、金属器などの道具だけでなく、動植物遺存体や人骨など多岐にわたる。それらからできるだけ多くの情報を読み取り、現在から遠い「過去」を読み取り、またその価値をわかりやすく伝えることが求められる。 本演習は、東京大学構内にある遺跡から出土した遺物を材料に、考古学がどのようなことをやる学問なのかを体験してもらい、その面白さに触れてもらうことを目的としている。東京大学のキャンパスには先史時代から近代までの遺跡が所在しており、手に触れることのできる多くの遺物も所蔵されている。基礎的な知識は講義することになるが、最も大事なのは実際に遺物を観察し、それをレポートにまとめる作業を体験してもらうことである。発掘調査がそうであるように、考古学は経験科学の一つと言える。一般にイメージする考古学とは違って地味に思えるかもしれないが、その作業にこそモノから歴史を復元するという行為の魅力が詰まっていることを感じてほしい。 また本演習の後半では、取り扱った遺物が出土した遺跡を世界の遺跡と比較する試みを行ってもらう。ユネスコ世界遺産による考え方を学び、その普遍的価値についてのグループ発表が課せられる。 フィールドワークと人類学的探究 人類学は、知を生みだすプロセスとしてのフィールドワークや「参与観察」という手法に重きをおく学問である。ある現場(フィールド)に赴き、その生活世界に身を沈める。そこで人類学者は、周囲の人や環境、生の営みに係わり合い、これに応じながら、自ら大小の変容を経験する。民族誌が読者に「今までとは世界が違ってみえる」ような感覚を与えるのは、それがこのようなフィールドワークでの経験にもとづいて、世界や自己について探究したものであるからだといえるだろう。 本講義は、人類学的探究としてのフィールドワークとはどんなものか、いかなる特徴や意義をもつのかについて、他の学問分野との相違や重なりにも言及しながら理解を深めることを目的とする。授業は『響応する身体―—スリランカの老人施設ヴァディヒティ・ニヴァーサの民族誌』(2017年)を主なテクストとした講義・ディスカッションと、より実践的な演習とで構成する。 担当教員 岡田 泰平 担当教員 根岸 洋 担当教員 中村 沙絵 所属 歴史学 所属 文学部 所属 文化人類学 曜限 曜限 曜限 対象 対象 対象

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