時間割コード 51400 時間割コード 51471 授業の目標概要 授業の目標概要 開講 A イノシシソーセージは何を語る? 開講 A ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 【注意】本ゼミは対面で実施します。リモート受講はできません。 皆さんは外を歩いている時にイノシシに出会ったことがあるでしょうか? 東京に暮らしていると野生の獣、特に大型の獣に出会う機会はほとんどないと思います。ニュースや新聞で、地方都市にクマやイノシシの出現が報じられても、どこか他人ごとになってしまいがちではないでしょうか。 地方に暮らす人にとって、獣は身近な存在であり、自分の生活を直に脅かす存在です。 一方、大都市の中心地に暮らす人は、野生の獣に接する機会はないので、恐怖を感じることもありませんし、明日収穫しようと思っていた野菜を野生獣に食べられ続けることもありません。そういう生活をしていれば、野生獣に苦しめられている人の気持ちを理解しにくいかも知れません。殺処分と聞けば、嫌悪感をいだくかも知れません。 私たち現代人はとても複雑な仕組みの中で暮らしています。複雑であることから、多くのことに自分の目を向けることを諦めてしまいがちです。なぜならば、逐一のことに拘泥する「暇」がないからです。 自分の常識が通用しない世界があること、そんなことは当たり前でしょうと言うかもしれませんが、知らず知らずの内に、常識に似ているかも知れないステレオタイプによって雁字搦めになってはいないでしょうか。 この講義は南伊豆でイノシシソーセージ作りを教えてもらったり、くくり罠作りを教えてもらったりしながら、南伊豆の人が吸う同じ空気を吸うことから始めて徐々にその土地への理解を深めていただきたい。 イノシシソーセージが語り掛けて来るまで、かすかな声を聴き分けられるまで、ゆっくりとじっくりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。 エネルギーの森作り早生樹を植えて、あなたもちょっとSDGsに参加してみませんか ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 【注意】この授業は、開講日程の都合上成績が前期課程修了要件に反映されない見込みが高いので、履修にあたっては十分に注意すること。 【注意】本ゼミは千葉県にユーカリ苗の植林を実施します。リモート受講はできません。 我が国の一次エネルギー自給率は11%ほどでとても低い。全方位でエネルギー自給率を上げる取り組みがなされるべきです。 洋上風力や太陽光パネルは参加するにはちょっと敷居が高いかも知れない。学生のあなたにも手軽に参加できるSDGsの取り組みがあります。 それは早生樹植えて、エネルギーの森を作ること。 昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山に柴刈りに・・・ このよく聞く昔話の冒頭にもあるように、人類は長い歴史の中でずっと森林資源をエネルギー利用してきました。 70年前くらいに燃料革命が起こり、先進国と言われる国々では主に化石燃料が重用されるようになり、森林資源がエネルギー利用されることはほとんどなくなりました。その結果わが国では薪炭利用されていた雑木林は放置され、ドングリを着ける木々が巨大化して、様々な問題(カシノナガキクイムシの蔓延や獣に栄養豊富なドングリを供給するなど)の原因になっています。 第二次大戦後、木質資源の枯渇を背景とした拡大造林によってスギ・ヒノキ・カラマツの針葉樹人工林の面積は倍増し、1000万haに及びました。木質資源の需要を見込んで拡大造林をおこなったのですが、現在は住宅着工件数は減少し、木質資源がだぶついています。1000万haの人工林を抱えた状況では、需給バランスが悪いと言わざるを得ない状況です。 伐期を迎えたスギ林を伐っても使う当てがない、つまり人工林が余っているという状態が見えてきています。 話を変えます。2019年に千葉県に上陸した台風15号を覚えているでしょうか。家屋の損壊もさることながら、大停電が起こり、なかなか復旧できなかったことは大きな衝撃でした。停電の復旧が進まなかった原因として、溝腐れ病を患ったサンブスギが至る所で倒れて電線に掛かってしまったといいます。溝腐れ病で材質が悪く使い物にならないために、山野に放置されてしまったことが原因です。誰が悪いと言えるものではありませんが、森林資源を利用しないまま放置すれば、同様の大停電を繰り返す可能性が高いことは自明です。 この体験ゼミの背景には、そのサンブスギをバイオマス発電の燃料として活用する取り組みがあります。これは自明の負の遺産とちゃんと向き合う取り組みとして評価することができます。使い道が無いサンブスギも燃やせば発電の足しになります。バイオマス発電が動いていることの重要性を垣間見る思いがします。 皆伐した跡地をどうするか? また、スギを植える? スギが余っていることは上述した通りです。 同じサンブスギを植えれば、また溝腐れ病を患う可能性があります。 あなたなら、もう一度スギを植えますか? 今回は皆さんに早生樹ユーカリ植栽に参加してもらうことにしました。 スギ・ヒノキではなく ドングリを着けるコナラ・クヌギでもなく ユーカリを植えるということが、どういうことであるか、是非、じっくりと考える機会にしてください。 持続可能なゴールが見えるでしょうか? 講義題目 続伊豆に学ぶ 講義題目 続伊豆に学ぶ 担当教員 鴨田 重裕 担当教員 鴨田 重裕 所属 曜限 単位 農学部 集中 所属 曜限 単位 農学部 集中 対象 1年 文科 理科 2 2年 文科 理科 対象 1年 文科 理科 2 2年 文科 理科 全学体験ゼミナール
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