時間割コード 51443 時間割コード 51392 ~獣だけの話ではない。見えにくい防災問題や国土荒廃の連環~ きたい。それが獣害問題とは何の問題かということ。 もちろん、「伊豆に学ぶ」「森に学ぶ」の受講生ばかりではなく、獣害問題について考えてみたい、考える必要を感じる、重要なんだろうけどどこか他人ごとになってしまう、という普通の東大生に「皆で考える」場を提供するゼミにするつもりで居ります。 ただ考えるだけでなく、考えたことを交流させる「場」を学園祭に作ることを一つの具体的な目標とします。 本自由研究ゼミはこれまで、学園祭においてイノシシピザやイノシシソーセージの燻製を来訪者に提供する取り組みを通して、体験ゼミ「伊豆に学ぶ」で扱ったイノシシ被害の問題が南伊豆地域に存在していることを伝えてきましたが、新型コロナ禍中は従前のスタイルで学園祭にて演示することができなくなりました。 令和5年5月に新型コロナが「5類感染症」になりましたので、従前スタイルの復活を模索したいと考えています。 本企画系ゼミではその中核になって企画する学生を求めます。 講義タイトルにはあえて「獣害問題」と書きました。 なぜ、野生動物と人との軋轢が増しているのでしょうか。 「オオカミを絶滅させてしまったからシカやイノシシが増えている。他所から捕食者オオカミを再導入すればこの問題は解決する」 という話を耳にすることがあります。 オオカミの再導入で問題は簡単に解決するのでしょうか? 問題はそれほど単純ではないと思われます。 オオカミを再導入する前に、なぜ日本人はニホンオオカミを絶滅させてしまったのかということにはしっかりと向き合う必要があるはずです。 ニホンオオカミと日本人との間に軋轢があり、その結果としてニホンオオカミを絶滅させることになったのであれば、他所から再導入するオオカミと私たちとの間に軋轢が生じないと考えるのは合理的ではありません。 「伊豆に学ぶ」「森に学ぶ」シリーズでは、現代人を取り巻く様々な関係が希薄であること、それがために諸処に自分と様々な対象物や対象事象との繋がりに実感が伴わないこと、皆が当事者意識を持てないことが問題をさらに深刻化させているというとても重要な気付きを得られたと思います。 ゼミ中に得たその「感覚」も、そのまま放置すると、あっという間に風化してしまいます。それは実にもったいないことです。 本自由研究ゼミナールは、体験ゼミ「伊豆に学ぶ」「森に学ぶ」とは少し違う角度から本件について考察を深めていきたいと考えています。違う角度とは何か?このゼミナールでは自律的に企画することにより、「伊豆に学ぶ」「森に学ぶ」とは違った視点得て、発信することを通して深く考える力や行動する力を涵養してもらいたい。 この自由研究ゼミの目標は「獣害問題」の解決策を提案することではありません。 複雑な問題に対して簡単に「解」を出そうとするのではなく、複雑な問題とじっくりと向き合うことを目標とします。 大学入学試験では、正しい解を素早く出すことが求められるので、多くの東大生はその手のことは得意でしょう。 答えが出ないことと向き合うことは、東大生がもっとも不得手とすることかもしれません。 皆さんが社会に出てから向き合うことは、一筋縄では行かないことが多く、最短距離で正解に直行する思考方法はあまり役に立たないことを知ることは決して無駄ではないはずです。 答えが出せない複雑な問題は、人任せにして、自分はうまく避けて通ればよいのでしょうか。 本ゼミでは、受講生が希望すれば、南伊豆を訪ね、獣害の現場を視察し、罠を作り、仕掛けてみます。せっかくなので手作りイノシシソーセージを試食していただきましょう。 従来は、東京大学体験活動プログラム「伊豆の体験活動 獣害編」によって ゆっくりと向き合う時間を取ってきました。 本ゼミではその一部分だけ掻い摘んで体験してもらいます。 さて、前述した様に、 このゼミでは五月祭・駒場祭に「獣害問題と向き合う」企画を打ち出します。 問題の本質が何であるのかを一緒に考えるきっかけを提供するのがこの企画の狙いです。 学園祭企画を創作していきましょう。 ※受講人数:10人程度 ※講義の目標:自主・自律に動けるようになること。様々な問題を他人ごとにしない気分を身に付けること。学園祭企画を立ち上げること。 授業の目標概要 最近、災害が増えたと聞くことが多い。それは、本当だろうか? その災害現場に行き、何が起きたのか、どう伝えられているのか、何が被害を拡大させたのか、何が足りなかったのか等を調査し、その結果をまとめる。「将来の社会への提言」を作ってみることが目標である。 授業の目標概要 全学体験ゼミ「伊豆に学ぶ」「森に学ぶ」で初めて獣害を意識したという方には、もう少しじっくりと向き合っていただ開講 A 災害現場と情報/Real disaster site and useful information 開講 獣害問題とは何の問題かA (自由自主の企画系ゼミ) A 講義題目 講義題目 担当教員 酒井 慎一 担当教員 鴨田 重裕 所属 学際情報学府 所属 農学部 曜限 単位 対象 集中 1 1年 文科 理科 2年 文科 理科 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 集中 2 2年 文科 理科 全学自由研究ゼミナール
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