時間割コード 51446 授業の目標概要 新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックは、世界中の国々に大きな影響を与え、社会経済的な変革を促しました。最近では、国内においてもコロナが「5類」に移行し、ようやくウイズコロナ社会が到来し、日常が戻りつつあります。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックは予想以上に長期化し、今日に至るまでの間、我が国と世界各国は、様々な困難な課題に直面し、まさに激変の時代に直面しています。 日本における超少子高齢化、生産年齢人口の減少(人手不足)や財政赤字、急速に進む円安、物価上昇、若年層の格差拡大、国内市場の需要飽和、消費者ニーズの多様化・個別化といった新たな構造変化の局面を迎え、一方では、グローバルには2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻、地球温暖化対策で2050年カーボンニュートラルの実現に向け、各国政府のみならず金融部門が各企業の取り組み状況をチェックする枠組みが形成され、国際社会システムの「大転換」、米中の対立の先鋭化等を背景に、半導体産業の安全保障上の懸念、戦略的重要性から、サプライチェーンの強化・確保、国内生産の促進や技術保護、国際的な協力などさまざまな政策を大規模に展開しています。半導体の重要性がますます高まる中、これらの動きは今後も注目されるでしょう。天然資源確保、食糧確保等の枠組みについても再検討する必要があることも強く示唆されます。ロシア・中国をめぐる国際秩序の変化、インドの人口増加、中東などにおける民族や宗教の対立をはじめとする世界の不安定化等、日本を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。 このようなグローバルな大変化や出来事1つ1つが、直ちに我々の生活や経済などに大きな影響を与え、これらが様々なリスクを含んでいることに気づかされます。これまで日本が享受してきた「秩序」や「安心」を確保する枠組みは、決して自明なものではなく、持続可能なものではないことを実感する時代に突入しました。 他方、生成型AIに象徴される人工知能(AI)と機械学習、量子コンピュータ、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、ドローン技術などの新技術は、私たちの社会や生活を大きく変える可能性を秘めています。「豊かさ」や「安心」を持続可能にしながら、「今までなかった価値」を生み出していくためには、社会と経済の「仕組み」を不断に見直し、世界の目まぐるしい変化の最先端に適応し続けることが求められます。 本講義では、このような激動する社会において、政策立案の最前線で日々奮闘している経済産業省、財務省及び金融庁の現役官僚をゲストスピーカーとして招きます。それぞれが担当する政策分野について、 ①激動する国際社会の動向、 ②その変化が私たちの社会・経済に与える影響やその変化の意義、 ③これらを踏まえた日本経済の再生に向けた戦略、 ④政策が果たす役割を語るとともに質問に答え、また学生の皆さんとディスカッションしていただきます。産業政策、財政政策、金融政策、通商政策、資源エネルギー政策、環境政策など私たちの社会・経済のあり方に深く関わる政策をテーマとしてとりあげる予定です。 本講義を通じ、以下の3点を身につけていただくことができると考えています。 1)メディアでは時として報道されない、世界規模の構造変化の真の姿 2)学際的な視点から、社会・経済の諸問題を分析すること 3)日本経済の再生戦略と、それを実現するために政策が果たす役割 文系・理系を問わず、次代の日本を担う学生の皆さんの幅広い参加を期待しています。 開講 日本の経済戦略と政策が果たすA ~政策の最前線で奮闘する現役講義題目 役割 官僚が語る~ 仲 浩史、 星野 岳穂、 守屋 貴之 担当教員 所属 公共政策大学院 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 金 3 2 2年 文科 理科 全学自由研究ゼミナール
元のページ ../index.html#227