2023Aシラバス
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時間割コード 51458 時間割コード 51360 授業の目標概要 現在の世界は、激動の中にある。 授業の目標概要 最新版の『世界開発報告』を会読します。講師は開発の専門家ではありませんが、開発を学ぶことは、先進国・途上国を問わず現代社会の課題を見つめることに直結すると考えています。報告そのものや、その根拠となっている文献をクリティカルに読み、議論することで、社会課題解決のために世界各国で行われているプラクティスの可能性や限界、科学技術(社会科学・自然科学)と公共政策の関係等について考え、見直す機会としていただければ幸いです。 開講 「経済安全保障」とルール形A 開講 『世界開発報告』を読むA 冷戦終結後の約30年間、世界経済の基調は「グローバル化」であった。物とサービスの貿易を自由化し、知的財産権の保護水準を斉一化しようとするWTO協定が、1995年に発効した。製造業のサプライチェーンは全世界に延び、各国の国民経済は「フラット化」し、自由貿易の水準をいっそう高めるための自由貿易協定(FTA)が盛行した。その間、わが国はCP-TPPの締結・発効など尽力したが、世界の情勢によく対応できず、経済成長は達せられず、国際的地位は低下を続けた。 いまや、この基調が大きく変わろうとしている。軍民融合や千人計画、一帯一路などを戦略的な安全保障政策を進めてきた習近平体制の中国は、対外政策を更に強硬にしてきており、国内の人権問題に外部から容喙させないとの姿勢を明確にしている。とりわけ台湾をめぐる情勢は、日に日に緊迫している。これに対する米国の強硬な姿勢は、バイデン政権下でますます強まってきた。いまや米中対立は新たな冷戦といわれるまでに激化し、AUKUS、クワッド、IPEFといった、新たな枠組みが成立しつつある。さらに、ロシアによるウクライナ侵略戦争という既存国際秩序へのあからさまな挑戦は、さらに大きな不安定要因を形成している。これに伴って国際経済も大きく変化しており、日本を含む各国の法や企業のビジネスにも、大きな影響が及んでいる。 担当教員(玉井克哉)は法学者であるが、知的財産法や行政法などの分野で、日本全体のルール形成に従事してきた。その立場から、現在の急激な変化を踏まえたルール形成戦略を研究対象にしている。 担当教員(國分俊史)は、企業に対するコンサルテーション業務を長年担当し、その中で「ルール形成戦略」の重要性を強調した草分けとして、経済安全保障に先覚的な多くの企業の要望に応えてきた。その過程で、国内・海外の政治・経済関係の要人と頻繁に接触している。 これに加え、武見綾子准教授(グローバル合意形成分野)が随時参加する予定である。同准教授は、国際的なヘルス・セキュリティと保健政策の専門家であり、マッキンゼーでコンサルタントの経歴や、世界保健機関(WHO)での職歴も有しており、本年2月から、先端研において「グローバル合意形成分野」を立ち上げる、気鋭の研究者である。 このゼミでは、法律と経済・経営という異なる視点から「ルール形成戦略」を手がけてきた担当教員二人と共に、経済の最前線で企業が直面する課題を理解し、「ルール形成戦略」の観点から課題を解決する機会を提供する。 講義題目 成戦略 講義題目 2023A 担当教員 玉井 克哉 先端科学技術研究センター 水 5 担当教員 森川 想 所属 所属 工学部 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2 2年 文科 理科 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 水 5 2 2年 文科 理科 全学自由研究ゼミナール

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