講義題目 授業の目標概要 1.メアリ・シェリーの小説『フランケンシュタイン』を精読しながら、文学作品を「解釈」するという行為がどういう 展開科目 人文科学ゼミナール 50916 A 『フランケンシュタイン』の読解と批評理論 ーー 文学研究入門 ものかを理解する。 2.文学批評・文学研究としての基本的アプローチを確認しながら、実践する。 3.ロマン主義というものについて理解を深める。 4.文学の背後に広がっている社会・政治・文化の問題、あるいはジェンダーの問題についても視野を広げて考える。 19世紀初頭に書かれたメアリ・シェリーの小説『フランケンシュタイン』は、その中で創造された怪物が舞台化・映画化され続けることによって、後世に名を残し、世界中で高い知名度を誇ることになります。しかし、実際の小説はそうした単純化された受容とは異なり、複雑な構造と多様な要素を内包したものです。結果として、ときには相矛盾するような多様な解釈の仕方やアプローチを許容するテクストとなっています。文学研究の基本、また文芸批評理論、その適用の仕方などを学ぶには最適のテクストとなっています。 この授業では文学テクストを精読するとはどういう行為であるか、そこからどのような解釈を導き出し、かつそれを証明していくかという文学研究の基本を、『フランケンシュタイン』の読解を通して学んでいきます。その際に有効となりうる文学批評理論やそれぞれの問題についても学んでいきます。文学研究は受身的なものではなく、主体的・能動的にテクストを読み込み、客観的・批判的に解釈を吟味し、論理的に議論を展開していくものです。授業の中でその一連のプロセスを確認してもらえればと思います。 とはいえ、文学は解釈する人の数だけ無限に異なる解釈を許容してくれる深淵な言葉の構造物です。とりわけ『フランケンシュタイン』には多様な要素が包摂されているため、読者によって新しい角度から切り込み、独創的な解釈をすることができます。授業を通して自分なりの方法論や文学観、さらには世界観を確立する土台を築いてもらえればと思っています。 時間割コード 開講 授業科目名 人文科学ゼミナール(ことばと文化) 担当教員 大石 和欣 所属 英語 金 2 曜限 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科
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