2022Aシラバス
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全学体験ゼミナール 60215 A2 60216 A2 雪の森林に学ぶ~北海道演習林 授業の目標概要 授業の目標概要 ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 【注意】この授業は、開講日程の都合上成績が前期課程修了要件に反映されない見込みが高いので、履修にあたっては十分に注意すること。 ダムは、河川の流れを寸断して自然生態系に大きな悪影響をもたらすとともに、堆砂(砂が溜まること)により数十年間から百年間で利用不可能になります。海岸では、川から海へ流れ出す砂がダムによってせきとめられたことにより、供給量が減少し、波と風によって削られ、砂浜や砂丘が年々縮小しています。環境負荷の大きいダム建設を続けることは将来に大きな禍根を残す可能性があります。 本ゼミは、ダムの最も大きな問題の一つである「土砂」の問題について、現場でのフィールド体験を通じて学ぶことを目的として開講します。日本で最も多量に土砂が堆積している天竜川佐久間ダム(1956年完成、総貯水量3億2685万立米、土砂堆積量1億2448万立米)を見学します。 東京大学演習林生態水文学研究所(愛知県瀬戸市)では、小さいダムにたまった土砂量を実際に測定する実習を行い、得られたデータを用いて流出した土砂量を計算する手法についても学びます。 また、下流の海岸で、天竜川からの土砂の供給が減少したことにより、砂丘が削られ、くぼ地に埋め立てたごみが露出するという事件が起きた「中田島砂丘」を見学します。また、東京大学水産実験所の菊池潔教授の案内により、遠州灘や浜名湖の沿岸域の漁業の現場などを見学します。この地域では、海岸沿いの低地に住宅が密集しており、南海トラフ津波対策として巨大防潮堤が建設されました、砂丘侵食や津波防災を住民のみなさんがどのように受け止め、行動されているかを学びます。 ダムや土砂、海岸について、予備知識は必要としません。文系、理系いずれの学生でも楽しめる内容です。現地の状況を自分の目で確かめ、肌で感じてもらうことが最大のねらいです。 ※代表教員のほか、菊池潔(東京大学水産実験所)、安村直樹・浅野友子・水内佑輔(東京大学演習林生態水文学研究所)が協力教員として参加します。 ※人数:10名に制限します。受講希望学生が10名を超過した場合は選抜を行います。 ※11/30(水)5限と6限に1号館108教室にてガイダンスおよび第一回講義を行います(同じ内容)。ガイダンスに出ないで履修を希望する学生も受け付けますので、11/30の16時までに担当教員にその旨をメールで連絡してください。 ※フィールド体験ゼミの日程(予定) 2/25(土)名鉄瀬戸線・尾張瀬戸駅前集合(前泊も可) 演習林生態水文学研究所にて、ダムに堆積した土砂量を測定する実習 データを用いて、土砂流出量、堆積量の計算手法の学習 東京大学演習林生態水文学研究所赤津宿泊施設(愛知県瀬戸市)泊 2/26(日)天竜川佐久間ダムにて、堆積土砂の現場見学 東京大学水産実験所(浜名湖畔)泊 2/27(月)東京大学水産実験所および周辺の浜名湖・遠州灘にて、漁船、漁港、海岸などの見学 浜松市の中田島砂丘の見学、津波防潮堤工事現場の見学 午後5時頃、浜松駅にて解散予定 2 2 時間割コード 時間割コード 開講 ダムと土砂と海 開講 講義題目 講義題目 担当教員 蔵治 光一郎、菊池 潔、水内 佑輔、安村 直樹、浅野 友子 担当教員 尾張 敏章、田中 延亮、鈴木 智之、福井 大 所属 曜限 単位 農学部 集中 所属 曜限 単位 集中 農学部 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 ■全学体験ゼミナールを履修する場合は、必ずUTASでシラバスを参照し、本冊子には掲載されていない詳細な授業内容等を確認したうえで、履修登録を行ってください。 【注意】この授業は、開講日程の都合上成績が前期課程修了要件に反映されない見込みが高いので、履修にあたっては十分に注意すること。 北方針広混交林帯に位置する北海道演習林では、森林環境の保全と持続的な木材生産との調和を目指した研究を一貫して行っている。本ゼミナールでは、雪に覆われた北海道の冬の森林をスノーシューを履いて探索し、冬季の樹木、植物、動物などの姿を通じて森林生態系の総合的な理解を深める。また、北海道演習林で行っている天然林施業の実際を学ぶことにより、森林資源の保全と活用の方法について考究する。

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