2022Aシラバス
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全学自由研究ゼミナール 51451 51452 授業の目標概要 当ゼミは、1992年度から川人博弁護士が中心になり担当してきた。今学期も川人弁護士の協力を得て、当ゼミの出身者である中川素充弁護士が担当する。笠置裕亮弁護士及び石井真紀子弁護士(当ゼミOB・OG)も協力する。 Aセメスターのテーマとしては、メディア、国際、地方社会、文化芸術・エンタメ、政治行政、科学技術・環境を予定している。また、これとは別に司法や哲学なども取り扱う予定である。 文Ⅰは勿論、文Ⅱ・文Ⅲ・理Ⅰ・理Ⅱ・理Ⅲの学生も歓迎する(例年、文Ⅰ以外の学生も多く参加している)。 人権問題を考えるにあたって大切なことは、社会の実態をよく知ることである。このゼミでは、従前より、普段の授業時間での講義以外にフィールドワークを実施している。事件現場、NGO、法律事務所、官公庁、企業、労働組合、裁判所、テレビ局、新聞社などに出向き、様々な当事者、専門家、弁護士、医師、公務員などから話を聞く。様々な職に就いている当ゼミ卒業生との交流も随時行う。 これらのフィールドワーク(主として平日午後6時40分以降、土日祝日に実施)は、今学期を通じて15回以上実施予定である。今学期は、新型コロナウイルス感染症対策のため、オンラインを活用したフィールドワークも実施する。いずれかを選択して、計1回以上参加すること。 金曜5限の授業では、10月~12月上旬は講義形式(各分野の最前線で活躍している人たちをゲストとして)を中心にし、12月~1月はテーマ班ごとに、授業やフィールドワークで学んだことをまとめて、論考を作成してもらうとともに、学生発表を実施する。 ※ ガイダンスは10月7日5限(第1回授業時)におこなう。 時間割コード 時間割コード 開講 ボーカロイド音楽論 開講 法と社会と人権ゼミ -社会の実態を知り、人権を学び考A A 講義題目 講義題目 える- 担当教員 学生による全学自由研究ゼミナール 鮎川 ぱて 担当教員 学生による全学自由研究ゼミナール 中川 素充 所属 所属 木 5 2 金 5 2 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 授業の目標概要 ボカロPで音楽評論家の鮎川ぱてと申します。本講義は、現代日本の音楽状況の中でもっとも重要な存在感を示す「ボーカロイド(ボカロ)」を用いた音楽群の分析を通して、近年のボカロ流行現象の本質、ひいては音楽自体の本質に迫ろうというものです。 講義では、講師がこれまでも強調してきた「永きにわたった人類による”うたの私有”が終わった」ことのインパクトを考えます。それは同時に、既存の音楽論を振り返り、再検討する機会にもなるでしょう。「アンチ・セクシュアル」というキーワードが、講義のひとつの軸になっていきます。 最初に「シーンの中で人気を博したのが、ラブソング群ではなかった」という事実に注目します。かつて音楽評論家の湯川れい子さんは「人間は、思春期を迎えるとラブソングを求めるようになる生き物なんです」と語りました。果たしてそうでしょうか。ボカロシーンでは、アンチ・ラブソング、とまでは言わないまでも、恋愛などの通念を自明とはしない感性を持った曲が人気を集めました(ex.「ラブという得体の知れないもの」)。人によっては厨二病的とも言うその感性の内と外を、フランスの人文学者ミシェル・フーコーの議論を参照しながら考えていくところから講義はスタートします。 主なアプローチ手法は、記号論、ジェンダー論、精神分析ですが、駒場と言えば、リベラルアーツ。私は、一本学出身者としてこの理念に共感する者です。狭義のアカデミシャンではないゆえに可能なある種の知的蛮勇として、前記の人文科学的手法に留まらない領域横断的な分析を試みてみたいと思っています。 開講にあたって大学から頂戴した前期課程講師用マニュアルには、皆さんに次の3つを促すようにと謳われています。「新しい概念の理解」「自発的想起」「創造的思考」。これらの現場的実践が、私の言葉で言えば「知的蛮勇」であり、「批評」です。 ボカロは老若男女、すべての人を受け入れるシーンですが、その上で、やはり主役は、若いみなさんだと思っています。みなさんが当事者として立ち会い、そしていまだ深度のある議論が少ないボカロカルチャーこそは、そのような批評の対象とするに最適です。 初音ミクが発表されて15年が経ちました。新しい作家が参入しつづけるこのシーンは衰えることを知らず(本ゼミからもたくさんのボカロPが誕生しました)、昨年から何度目かのボカロ大流行が始まっています。そして、出会いばかりでなく、別れもありました。本学における本講義には、必ず弔わなければいけない作家がいます。 ボカロが好きな人。音楽が好きな人。かつてボカロが好きだった人。批評やジェンダー論に興味がある人。どの立場の人も主役です。科類は問いません。「感覚を思考の俎上に載せること」を恐れないあなたの参加をお待ちしています。 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科

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