2022Aシラバス
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全学自由研究ゼミナール 51391 51392 十分に注意すること。 東京大学生物普遍性連携研究機構(Universal Biology Institute, UBI)に関連する研究室で研究体験型のゼミをおこなう。過去半世紀にわたる生命科学の進展により、我々は生体内で起こる分子レベルの反応の詳細や、それに関わる分子種についての膨大な知識を集積してきた。一方で、それら分子が総体として織りなす「生きている状態」とは、そもそもどういう状態なのか?そして、そのような状態を特徴付ける法則や原理は何か?このような基本的な問題について、我々人類はまだほとんど理解できていない。この問いは生物学のみに閉じた課題ではなく、現象の記述と理解に必要な数理科学の発展や、新たな実験・計測技術の開発を必須とする。この意味で現代生命科学は科学諸分野のフロンティアを押し広げるともに、これらを再統合する現場ともなっている。UBIでは、生物に共通する普遍的な法則とメカニズムの解明を目指し、従来の生物学の枠を越えて、数理科学、理論物理、分子生物学、生物物理学、進化生物学、有機化学、ナノバイオテクノロジー、細胞イメージングなど、広範な分野の研究者が共同で研究に取り組んでいる。 本ゼミでは、通常の学生実験や授業とは異なり、最先端の科学研究の現場を体験する機会を提供する。履修者は下記のいずれかの研究室に配属し、学問分野の垣根を越えた、分野横断的な科学研究に触れながら、基本的な実験技術やデータ解析手法を学習したり、数理演習や計算機実習を通じて理論研究の基礎を学んだりする。未知の分野にチャレンジし、将来的に自ら新しい分野を開拓していこうと思う意欲的かつ野心的な学生を歓迎する。 担当教員と研究テーマ 【駒場キャンパス】 澤井 哲: 細胞のナビゲーションを、実験的・理論的に理解する 若本 祐一: 細胞表現型ゆらぎと適応・進化の関係を探る実験研究 石原 秀至: 生命現象の数理モデルのシミュレーション 道上 達男: 胚の形態形成に関わる”力”を調べる実験 豊田 太郎: 人工細胞観察デバイスを微細加工技術で創って,人工細胞を実際に観察する 市橋 伯一: 培養可能な最小の生物を探してみよう 大泉 匡史: 大規模な神経活動データにおける神経情報表現の構造の解析 晝間 敬: ディープラーニングを用いたトマトの気孔開度自動定量技術の開発 小林 徹也: 生体情報処理や自己複製過程を数理やデータから考える(駒場IIキャンパス) 【本郷キャンパス】 古澤 力: 進化過程の計算機シミュレーションによって何が解るか? 岡田 康志: 顕微鏡を作って生きた細胞を計測する 伊藤 創祐: 情報理論や確率的な熱力学を用いた生命現象の理論研究 入江 直樹: 遺伝子モジュールの使いまわしと生命進化 豊島 有: 神経活動と行動をつなぐシステム生物学 【柏キャンパス】 岩崎 渉: 「生物情報科学」でひもとく生命システム進化・生物多様性 石川 麻乃: 分子と生態を横断し、生物の適応進化を理解する 最新の情報は以下を参照。 https://rcis.c.u-tokyo.ac.jp/education/ 2 金 4 2 時間割コード 時間割コード 開講 生命の普遍原理に迫る研究体開講 地球社会におけるリアリズムA A 講義題目 験ゼミ 講義題目 の探求Ⅱ 担当教員 生物普遍性研究機構 集中 石原 秀至 担当教員 馬路 智仁 所属 所属 教養学部 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 授業の目標概要 【注意】この授業は、開講日程の都合上成績が前期課程修了要件に反映されない見込みが高いので、履修にあたっては曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 授業の目標概要 この授業では、グローバル化した地球社会における今日的問題を論じた英文記事を分析し、議論を重ねることで、どのような分野に進もうともその基礎的体力となる、知識と情報分析能力、そして「自立した思考」の獲得を目指します。誰かの受け売りではなく、自分の目で見て、自分の頭で考え、自分の言葉で表現する能力(仮に「思考のリアリズム」と呼びます)を培うことが、本授業の最大の目的です。同時にこの授業では、 ● 現代的課題をめぐる英文記事の分析を通じて、この世界で何が起こっているか、この世界はどのような方向に向かおうとしているかを知り、日本の位置を相対的に捉える視点を獲得すること、 ● 思考のリアリズムを培い、独立した個、そしてその表裏として、他者を正面から理解し協働する能力を養うこと、 ● 今後それぞれの進路においてリーダーシップを発揮する人材となるための知的体力を身に着けること、を目標とします。 なお本ゼミは、履修人数を18名前後に制限します。そのため選考を行いますので、「履修上の注意」を読んでください。

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