学術フロンティア講義 51389 51397 授業の目標概要 高等学校で学んだ数学、大学の前期課程で学ぶ数学が、どのように現代の数学につながっているか、現代の数学の研究の源泉はどこにあり、どのようなことがわかっていて、何を求めて研究が行われているかということを、最前線で活躍する数学者がいくつかのトピックについて数回ずつ解説する。 今回は, 講義順に三竹大寿先生による「微分方程式の定性的性質:平衡点の安定性,不安定性,分岐現象入門」、岩木耕平先生による「WKB解析とBorel総和法」、Shane Kelly先生による「ディオファントス方程式」、 北山貴裕先生による「3次元空間のトポロジー」の4講義(各講義3回)です。(詳細は計画欄に記載しました。) 時間割コード 時間割コード 開講 グリーントラスフォーメーション(GX)と未来社会 開講 高等学校で学んだ数学、大学の前期課程で学ぶ数学が、どのように現代の数学につながっているか、現代の数学の研究の源泉はどこにあり、どのようなことがわかっていて、何を求めて研究が行われているかということを、最前線で活躍する数学者がいくつかのトピックについて数回ずつ解A A 講義題目 講義題目 説する。 担当教員 杉山 正和 担当教員 小木曽 啓示 所属 教養学部 所属 数理科学研究科 水 5 2 木 5 2 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科 授業の目標概要 人類は,今からおよそ1万年前に新石器革命と呼ばれる技術革新とともに農耕や牧畜に従事するようになった.18世紀半ばから19世紀にかけては産業革命を遂げ,産業構造の変革,石炭利用にともなうエネルギー革新をもたらすと同時に,社会構造にも大きな変革を起こした. 産業革命以後の科学技術の進展とエネルギー利用の増大には急激なものがあり,人類の活動が地質や生態系に与える影響も地球規模で拡大している.その結果,地球の歴史に人類の活動が大きな影響を与えるようになっており,地球のあり方そのものに人類の活動を含み込まなければ地球の歴史を構想することができなくなっている.こういう考えから,地質時代における時代区分として「人新世」という新たな概念が提起されるようになった.「人新世」の特徴としては,地球温暖化などに代表される気候変動,動植物種の絶滅にともなう生物多様性の喪失,海洋プラスチックごみなどに代表される人工物質の増大,化石燃料や核燃料の使用による堆積物の変化などを挙げることができる. 人類が地球の生態系や気候にまで大きな影響を及ぼすようになった「人新世」というこの新たな時代のただ中で,人類の共有財産である安定した地球システム(グローバルコモンズ)を皆で協力して育くみ,次世代に渡していくために,社会の大きなパラダイムシフトが求められている.現在,G20のすべての国を含む150か国以上が年限付きのカーボンニュートラル目標をかかげているが,その実現には「地球が再生できるものを循環型に使う」システムへの転換が必要である.エネルギー,都市やコミュニティー,食,資源などあらゆる側面で地球と人の関係の再設計が求められており,その実現に向けて,科学技術,社会システム,そして人々のこころの在り方を包含した総合知によるマルチスケールな取り組みを展開する必要がある.こうした多面的な取り組みをグリーントラスフォーメーション(GX)という.本講義では,このようなグリーントランスフォーメーションに関する多様な学知を俯瞰し,複眼的に理解する機会を提供し,グローバルコモンズの責任ある管理を担う次世代の人材養成を目指す. 曜限 単位 対象 1年 文科 理科 2年 文科 理科
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