2022Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 工学×デザイン~ワークショップで学ぶ理系31671 水 2 授業の目標・概要 皆さんの身の回りにあるモノ。これらモノを作るうえで欠かせないのが材料です。モノづくりでは,原子や元素から物質を創り,物質を材料や部品に加工し,製品を組立てます。材料とは材料科学・材料工学の知に基づき,物質に機能という新たな付加価値を与えたものです。自然界に存在している原料から使える材料に生まれ変わらせ,さらに加工する,そのような工程を担っているのが材料関連の産業であり,自動車や電化製品などの皆さんのもとに届く製造業において欠かすことのできないパートです。従来材料開発は10年以上の長期間が必要でしたが,近年の急速な科学技術の発達に追随するためには,材料開発の加速化が必要不可欠です。 本講義は,そのような材料開発研究における最先端について学びたいと思います。材料開発の加速化,最適化を可能にするアプローチとして,近年はAIを活用した研究が多くなされています。そのような情報工学的なアプローチをこれまで培われてきた材料科学・工学と融合させることで,構造材料,電子デバイス材料,医療用材料などの材料開発において何ができるのか,解説文などを題材にしながら,グループディスカッションを通じて考えていきたいと思います。 【 題材の例 】 1) 構造材料のマテリアルズインテグレーションシステム:近年,マテリアルズゲノムイニシアチブに端を発し,従来の実験,理論に基づいた材料開発ではなく,さらに計算,データを融合させた材料開発が全世界で開始され,日本でも進められています。特に日本が得意とする構造材料開発におけるシステムがマテリアルズインテグレーションシステムとよばれています。今まで10年,20年かかった材料開発を,AIなどを活用することによって数年で実現する,そのようなシステムについて調査します。 2) 電流のオン/オフを変えられる材料とその仕組み:情報機器の頭脳となる集積回路では微細加工されたトランジスタが何億個も並び,それぞれの材料中の電流がオン・オフと切り替わって動作します。どのようにこのスイッチを実現するのか,最先端電子デバイスの材料と構造を調査します。また,デバイスの品質は作製プロセスにも大きく依存しており併せて調査します。 3) ソフトマターの医用応用:高分子やゲルなどの柔らかい材料はソフトマターと呼ばれ、その柔らかさや高い変形性、生体組織との組成類似性から、医用材料として注目を集めています。医用応用を行う上で、どのような材料設計が重要になるのか、最先端の医用材料について調査します。 31672 水 2 授業の目標・概要 ■ 授業の目標 ・異なるテーマのワークショップを通して、ものづくりにおけるデザイン(設計)を体験します。 ・グループワークによる問題設定、分析、アイデア発想、プレゼンテーションのプロセスを身につけます。 ・デザインに必要な基礎的な工学的知識を身につけます。 ■ 授業の概要 良いデザイン(設計)とは何でしょうか。それは、単に見た目が美しいだけでなく、安全で、使いやすく、使うと嬉しくなるような人にとって思いやりのある設計を指すかもしれません。あるいは、シンプルな構造で優れた性能を発揮する巧妙な設計を意味することもあるかもしれません。この様に、ものづくりにおける「デザイン」の意味は多様です。本ゼミでは、グループワークによるワークショップを通して、ものづくりにおける多様なデザインの観点と、それに必要な方法を理解します。 前半では、身の回りから、危険、非効率、分かりにくい、使いにくいなどの「困った」デザインを調査・発掘し、問題の本質を議論します。そして、それらを「よい」デザインに変えるアイデアを提案、プレゼンテーションします。 後半では、軽くて安全な構造物をデザインすることを目的に、パスタで橋を作るパスタブリッジコンテストを通じて、機能を達成するための工学デザインを体験します。最終回は、グループごとに発表会を行い、それぞれのデザインについて議論します。 31673 水 2 授業の目標・概要 より詳しくは以下のURLを参照 31674 水 2 授業の目標・概要 従来型の情報処理や情報通信の限界を超えるブレークスルーの候補として、量子コンピュータや量子暗号、量子テレポーテーションなどの量子情報技術が最近注目を集めている。これらの量子情報技術は、量子エンタングルメントや量子測定など、日常の直感に反する量子力学の特性を情報処理や情報通信に利用したものであり、量子情報技術を「正しく」理解するためには、情報処理の観点を取り入れた量子力学の正しい理解が必要である。しかし、量子力学は一般にはなじみの薄い概念であり、報道などにおいても不適切な解説をたびたび見かける。本講義では、量子情報技術を「正しく」理解し、量子力学を習ったことのない人々にもわかりやすく正しく説明できるようになることを目標とする。 http://pmp.eidos.ic.i.u-tokyo.ac.jp/ コンピュータ(プログラミング)を使って,数学や物理の問題,実世界の問題を数学や物理の言葉で定式化した問題を解く方法を学びます.そうすることを通してプログラミング,数学,物理を学ぶとともに,それらの分野に対する勉強の動機・意欲が高まることを期待します. 実際の問題をいくつか,例・テンプレートとして提示し,グループに別れて解法や,問題の発展形や一般化などについて議論します.それと並行して,プログラミングの基本について,演習します.最後に,お互いが解いた問題について発表しあう,発表会を行います.途中でも,グループの間でのアイデア交換や進捗状況の共有のため,適宜ミニ発表会を行います.KOMCEEでグループごとに机を分け,ノートPCを用いてプログラミングや文献調査を行います. AI支援による材料開発の最前線 のためのデザイン 数学・物理をプログラミングで考える 量子情報技術を「正しく」理解する 南部 将一 村上 存 田浦 健次朗 村尾 美緒 工学部 工学部 工学部 理学部

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