2022Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 橘 亮輔 31662 金 1 授業の目標・概要 新薬を開発するためには、少なくとも十数年に及ぶ研究期間と莫大な研究開発費を要します。創薬研究のプロセスは、探索研究、開発研究、臨床研究に大きく分類され、それぞれの研究段階において多くの研究分野が創薬を支えています。本授業においては、薬物が投与された後の体内での薬物の挙動を明らかにする薬物動態、薬のターゲットであるタンパク質の立体構造を明らかにするX線結晶構造解析や核磁気共鳴法を取り上げ、これらの技術が創薬においてどのような役割を果たしているのかを論文読解やグループワークを通して理解します。授業で取り上げる技術をはじめとする様々な創薬基盤技術の今後の可能性をグループで調査・議論し、プレゼンテーションを行います。 31663 金 1 授業の目標・概要 音声によるコミュニケーションは社会を成立させる基盤の一つである。音声は言語情報だけでなく発話者の心的状態も伝える。母語であれば伝達速度は他の方式に比べても格段に速い。一方で、聴覚認知や発声制御の問題は円滑なコミュニケーションを阻害する要因となる。 本授業では、私たちの聴覚や発声の仕組みについての基礎的な事柄を学習し、音声コミュニケーションがどのような仕組みで成り立っているかを、デモ体験やグループワークを通じて考える。音声の簡単な音響解析や、簡易脳波計を用いた聴取時の脳活動計測デモを体験する。これらを通じ、音声コミュニケーションにおいて、自身の声を調整することの重要性や、他者との相互作用の様相を検討する。同時に、聴覚や発声を代替する新たな技術やコミュニケーション方式を調査して議論する。加えて、音楽演奏やヒト以外の動物の音声コミュニケーションについても検討し、その共通性と差異について議論する。 31664 金 1 授業の目標・概要 システムダイナミクスは、多数の変数とその相互作用の数理的因果関係をグラフィカルな表現を用いてモデル化し、コンピュータシミュレーションによってシステムの動的挙動を解明する手法である。この手法は1970年代に人類の未来を予測したローマクラブレポート「成長の限界」で有名になり、以来、生態系や経済社会系などの複雑システムの解析手法として用いられている。本ゼミでは、主に力学系、生態系、経済社会現象などを題材に、システムダイナミクスによるシステムモデリングの基礎を修得するとともに、加えて各自が興味を持つ対象のモデリングを通じて応用力とシステム思考力を養う。 31665 金 1 授業の目標・概要 人工光型植物工場(以後、単に植物工場)とは、光を透過せず断熱性の高い被覆材でほぼ密閉された空間内で、人工光源や多段式の栽培棚などを用いて植物を生産する施設のことです。屋外の環境の影響が極めて小さく、露地・温室と比べてより安定した生産物収量・品質が得られることから、気候変動や異常気象に対応可能な植物生産システムとして肯定的に捉えられることがあります。また、工業技術やITとの親和性が比較的高いことから、農業分野以外の企業が植物工場で農業に参入するケースも見受けられます。一方、生産コストが高いなどの欠点もよく聞かれるところです。 このゼミナールでは、新たな農業の一形態である植物工場の実態や機構を科学的に捉えた上で、そのメリット・デメリットや将来性などについて考え、議論することを目的とします。授業1~2回分ごとに設定するいくつかのテーマについて、書籍、統計データ、ウェブ上の情報などをもとにグループワークによってプレゼンテーションにまとめ、参加者全員で意見交換します。 植物工場は持続可能な農業システムか? 薬学を支える基盤技術の役割と貢献 音声コミュニケーションの科学 システムダイナミクス入門 大戸 梅治 古田 一雄 松田 怜 薬学部 教養学部(初年次教育部門) 工学部 農学部

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