2022Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 31637 火 3 授業の目標・概要 生物には,さまざまな動きある.個体であれば四肢の動き,個体内には心臓や消化器の動きがみられ,細胞は分裂や泳ぎなどを行う.植物や神経細胞内では,輸送運動が盛んにおこなわれている.分子に着目すると,DNAの複製やタンパク質の合成も動くタンパク質分子によって行われている.タンパク質が働くとき,アミノ酸や電子の動きが起こる. このように「動く」ことは生物に共通にみられる現象であり,生物の特徴でもある.さらに「動き」は,生物として興味がもたれるだけでなく,力学・分子運動・化学反応・原子結合・運動理論と密接に関係することから,生物学・物理学・化学・数理の垣根を取り外した科学としてとらえる必要がある.そこで授業の目的は,生物の動きに興味を持ち,動きの仕組みを理解し,「動く」ことの意味を科学の立場で考えることである. 授業では,学生各自が興味をもつ「動き」を紹介し,その動きの仕組みを議論と発表を通して理解する.最後に,班に分かれて動きの仕組みの共通性や生物らしい動きの特徴の議論・発表を行う. 31638 火 3 授業の目標・概要 31639 火 3 授業の目標・概要 この授業では、皆さんが今いる駒場キャンパスと先端科学技術研究センター(先端研)が位置する駒場リサーチキャンパスを舞台に、世界と競い合う最高水準の先端科学技術を体験してもらいます。最先端研究が、キャンパスの殻の中に閉じこもる旧来型の研究ではなく、学術の進展や社会の変化に機動的に挑戦して人間と社会に向かっていることを、この授業で実感できるはずです。先端研の根幹の研究領域(環境・エネルギー、情報、材料、生物医科学、バリアフリー、社会科学)の中から、今年の講義では、基礎的な概論とともに3つの話題を紹介します。基礎から最新のトピックまでざっくりと体験できるはずです。 1)「概論」 石北 央 教授 (x2回 4/26, 5/10) :先端研の最先端研究の概略を紹介するとともに、光エネルギー、光合成、蛋白質、量子化学、理論計算の接点をテーマに先端科学技術の一端をちょっとだけ覗いてみます。 2)先端研「グローバルセキュリティ・宗教」分野(×3回 5/17, 5/24, 5/31)山口 亮 特任助教 キーワード:ガバナンス、倫理、科学技術 3)先端研「エネルギー環境」分野(×3回 6/7, 6/14, 6/21)別所毅隆 特任講師 キーワード:光、光電変換、太陽電池、再生可能エネルギー 4)先端研「構造生命科学」分野(×3回 6/28, 7/5, 7/12)加藤一希 特任助教 キーワード:クライオ電子顕微鏡、ゲノム編集、CRISPR-Cas (クリスパーキャス) 31640 火 3 授業の目標・概要 ロボットは、人間・機械・情報を結ぶ知的なシステムです。ロボットは、コンピュータ単体とは違って、自ら移動したり、ものを動かしたりすることができます。生物の仕組み、特に脳神経系の働きは、知的なロボットを作るヒントになります。一方、人間以上の速度やパワー、インターネット上の知識の利用など、生物を超え得る潜在力を持っています。 この講義では、知能ロボットを構成する基本要素や知的な振る舞いの作り方を考え、学びます。ツールとしてロボットキットを用いますが、講義の主眼はマニュアル通りロボットを組み立てることではなく、知能ロボットの可能性について実践を通じて深く考えることです。最新のロボット研究の成果にも触れてもらい、知能とはなにか、現代社会で必要とされるロボット・システムとは何かを議論してもらいます。また、工学的な思考方法に親しみ、作ったものの狙いや価値をわかりやすく伝える技術を磨くことも期待しています。 授業の目標: ・ ロボットや知能といった未定義で学際的なことがらに対して、グループ討論や能動的な調査に基づいて客観的に論じることができるようになる ・ 工学の観点から問題を発見し、実際の製作を通じてそれを解決するプロセスを身につける ・ 自分の考えを整理し、適切に他人と分担して、複雑なシステムであっても、順序立てて簡潔に説明できる能力を身につける SDGs(2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標)にも,2050年カーボンニュートラル(2020年10月に政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする,カーボンニュートラルを目指すことを宣言した )にも,その根底にはサステナビリティ(持続可能性)という共通の基本理念がある。 その持続可能な社会の実現のためには,太陽の恵みを受けて育まれるバイオマス(生物資源)の利用が不可欠であり,その生物資源の生産の基盤となる農林水産業の果たすべき役割の重要性は増すばかりである。 この講義では,農学部に所属して森林科学と水圏生物科学を専攻分野とする教員が担当し,陸域バイオマス(農林業)と海洋バイオマス(水産業)の利活用や先端研究の事例紹介などを通じて,その是非(善い面だけではなく)を議論することにより,本当の「サステナビリティ」とはどのような姿なのかを受講生1人ひとりが考えられるようになることを目指したい。 農林水産バイオマス資源の持続的な利用 初年次ゼミナール理科 先端科学技術の現場を「体験」する 知能ロボット入門 樋口 秀男 吉岡 拓如 石北 央 新山 龍馬 理学部 農学部 先端科学技術研究センター 工学部

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