2022Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 時間割曜限 コード 疾患克服を目指した医科学研究の実際 ー疾患の分子病態から予防、診断、治療法を考えグループ3 1年 理一(7-8,11,13,15,17)理二三(9-10,14,19) 31617 火 3 授業の目標・概要 地球上には記録されているだけで200万種近い生物がいます。私たち人類はただ1種の生物に過ぎないことを考えれば、驚くべきことです。ところが、ここ50年位の間で生物の多様性は著しく減じています。このままのペースで進むと将来は大量絶滅の時代を迎えることになります。そうならないために、私たちは、生物多様性が維持されている仕組みを解き明かし、生物がもたらす恩恵を様々な観点から理解する必要があります。こうした理解が進めば、生態系や生物多様性を保全し、持続的に利用しようというモチベ―ションが高まるはずです。このゼミでは、生物多様性のしくみや機能を理解し、持続可能な社会を創るためのアイディアを皆さんと考えていきます。 全体構成は2つのユニットからなります。ユニット1では生物多様性の一般書を題材に、各グループで課題を設定し、文献調査などを通して本の内容を発展させたプレゼンテーションを行います。ユニット2では、日本での一般的な環境アセスメントでの生態系の現状把握の方法を理解して,その方法論の長短所を議論し,自然環境の把握の重要性,方法論を理解して欲しいと考えています。 さらにユニット1と2の間の回では、明治神宮に出向いて自然観察を行い、生態系や生物多様性の実態を体感してもらいます。 31634 火 3 日常生活の視点から食料と農山村を考える 授業の目標・概要 都市で生活する学生にとって農業や農山村は身近な存在ではない。日常的にはもっぱら食料の消費者として間接的に農業にかかわっている。今日の日本の食料消費に関しては、肥満・食品ロスなど過剰にかかわる問題と、こども食堂など不足にかかわる問題とが併存している。コロナ禍の下で、都市生活者の食の形態も大きく変化している。 また、都市生活者は、農山村から木材を調達するだけにとどまらず、治水機能、森林レクリエーション機能などの恩恵も間接的に享受してきた。農山村の急激な人口減少によって森林がもつ様々な機能が弱体化し、都市生活に影響を及ぼしており、都市と農山村との関係が改めて問われているといえる。 この授業では、日常的な食料消費および農山村の生活に焦点を当てることを通じて、身近な視点から食料問題・資源環境問題に接近してゆく。 31636 火 3 授業の目標・概要 がんや感染症などの難病の原因や発症メカニズムを探索することは、疾患の治療法の開発につながる手がかりを得るための大事なプロセスとなります。現在、医学研究の手法はめざましい発展を遂げており、スパコンやAIを用いた膨大な情報処理を用いた疾患因子の同定や、発生工学を用いた病態解明が進められています。この講義では、ゲノム医科学、発生工学、感染症の3つをテーマとして、3名の担当教官から現代の医学の研究の手法と応用について学びます。与えられたテーマについて自分で調べ、他人にわかりやすく発表する機会を多く設け、情報の収集、論理的思考、プレゼンテーションを経験することで、医学研究の一端に触れます。 「ゲノム解析による腫瘍病態の解明と臨床応用(担当教官:南谷泰仁)」 がんの本態解明に関する最新の研究分野であるゲノムシークエンスや情報解析についての概要を学びます。初回の授業では、ゲノム医科学を理解するために必要な基礎的知識を学び、ゲノム解析がどのように医学の発展に寄与してきたかについて、代表的な事例を用いて学習します。さらに、次世代シークエンサの原理と、それを用いたゲノム解析研究の例について学びます。その後グループにごとにテーマを決め、次世代シークエンサの応用について、技術的な側面と臨床的な側面から調査し、発表を行っていただきます。 「個体の発生、iPS細胞を題材にエピゲノム制御について学ぶ(担当教官:山田泰広)」 我々の体を構成する200種類以上に分化した細胞から構成されています。細胞の分化はDNAの変化を伴わず、基本的には不可逆的な現象です。しかし分化した細胞に4つの遺伝子を一時的に働かせることで、様々な細胞に分化することが可能な人工多能性幹細胞(iPS細胞)を樹立できることが示されました。本講義では、哺乳類個体の発生やiPS細胞の樹立メカニズムを考えることで、DNA配列に依存しない遺伝子発現制御機構、すなわち「エピゲノム制御」について考えます。さらにエピゲノム制御の異常による病気の発症や、iPS細胞技術による医療応用の可能性について学びます。 「マラリアに学ぶ感染症医学入門(担当教官:Cevayir COBAN)」 COVID-19によって「日常的なパンデミック」が注目されるようになりました。マラリアは、毎年20万人以上が新たに感染し、子供や妊婦を中心に毎年50万人が命を落としている感染症です。人類の歴史と同じくらい古く人類とともに進化してきたマラリア感染症をテーマとしてCOVID-19との比較をおこないながら、根絶の困難さや治療法・ワクチン開発の問題点について考えます。さらに、マラリアを理解し、撲滅するために応用可能な科学や技術など、可能な解決策について議論します。他の世界的な感染症についても調査をおこない発表することで、知識を共有します。 開講場所は原則駒場Iキャンパスです。第3回のみ、東京大学医科学研究所の見学会を行います。 講義題目 生物多様性と生態系の持続可能性 るー 担当教員 日浦 勉、吉野 邦彦 松本 武祝 南谷 泰仁 所属 農学部 農学部 医科学研究所

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