2022Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 わたしたちの複雑な生命活動は、多種多様なホルモンが、環境変化に応じて、適切に血液中へ分泌されることによって調節されています。この多種多様なホルモンは、ごく微量で驚くべき作用をします。例えば、「恋」や「食欲」、そして「睡眠」もこのホルモンによって調節されます。 本ゼミナールでは、ホルモンの生理作用やその生理作用を利用した先端医療への応用の可能性、そして生命倫理に関する課題について、各グループ内で討議を行い、その中で、仮説を設定し、そして結論を導き出し、その内容をゼミナール時間中にプレゼンテーションします。これらを通して、仮説から結論に至るまでの科学的な思考における基礎的な能力の習得を目指します。 (授業の目標) ・研究課題における目的や問題点を認識し、その解決のための手段を考えるという活動を行います。 ・仮説をたて、結論に至るまでに必要な科学的プロセスを考え、行動します。 ・自分の考えを、分かりやすく他人に伝え、情報を共有することで新たなアイデアや知見を得るための、コミュニケーション能力の基礎を身につけます。 こころの支援におけるダイバーシティとイン教養学部(生物部会) 教養学部(化学部会) 医学部 31631 木 2 授業の目標・概要 (授業の概要) 31632 木 2 授業の目標・概要 医薬品や電子デバイス材料に代表される現代社会を支える化学物質は、化学的性質を失わない最小構成単位である「分子」からできています。望みの分子を効率よく合成するためには、化学反応を促進する「触媒」が欠かせません。さて、触媒とは何でしょうか?これまでに触媒とは「自身は変化せずに化学反応を促進するもの」と学んできましたが、本当にそうでしょうか? 本講義では、触媒を題材に有機化学的アプローチから分子の世界に触れるとともに、自然科学の研究に必要な論理的思考力と研究発表力の習得を目指します。具体的には、2010年のノーベル化学賞の受賞研究対象である「クロスカップリング反応」に代表される金属錯体触媒を取り上げます。前半では、講義により当該分野の研究背景と基礎的知識を学び、学術論文の講読を通じて既存触媒の問題点を整理します。後半では、それら課題を解決するオリジナルな化学触媒の分子デザインに挑戦します。また、研究室見学会を実施し、実際の研究活動の最前線を体感してもらいます。授業形態は、駒場キャンパス内での対面にて実施します。 31633 木 2 授業の目標・概要 近年、多様性(ダイバーシティ)と包摂(インクルージョン)の推進は各方面で重要視されており、2015年に国連サミット加盟国で採択された持続可能な開発目標(SDGs)においても、「『誰一人取り残さない』持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」がその中核的な位置づけとして掲げられています。一方、医学・医療分野におけるダイバーシティやインクルージョンの推進は未だ十分といえる状況ではありませんが、たとえば精神科領域など、いくつかの領域においては、当事者としての経験をもちながら患者をサポートする「ピアサポートワーカー」の活躍の場が広がりつつあるなど、少しずつではありますが状況は変化しています。 精神疾患は、日本における生涯有病率が20%程度、つまり約5人に1人が経験するごく身近なものであり、その大半は思春期や青年期までに発症します。本コースでは、差別や偏見など、精神疾患をもつ人が支援を受ける中でときに生じる(不利益をうける)問題や、その問題を解消していくために必要な、ダイバーシティーとインクルージョンの推進、共同創造(Co-production)、トラウマインフォームドケア、values-informed careといった考え方や取り組みについて、その意義や、実践・普及の観点から議論・検討を行い、理解を深めることを目指します。 関連HP https://cdmer.jp http://npsy.umin.jp https://co-production-training.net ホルモンからヒトの行動を考える 化学触媒の分子デザイン クルージョン 坪井 貴司 岩井 智弘 笠井 清登、里村 嘉弘

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