2022Sシラバス
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初年次ゼミナール理科 ”原発事故”を科学する ペットボトルと紙ではじめるエアロスペース31624 火 1 授業の目標・概要 今から約100年前Alfred Wegener は、世界地図の上で大西洋を挟んだアフリカ・南アメリカ大陸両海岸線の類似した形を見て、大陸移動のアイデアを思いつきました。このアイデアは、当初大陸を移動させる駆動力について明確な説明ができず、地球科学界では忘れ去られてしまいます。しかし1950年代以降、地球科学上の新しい証拠によって再評価され、プレートテクトニクス理論の確立へとつながりました。その間にも地形や地震・火山の分布の特徴や規則性から、地球のダイナミクスや歴史について様々な発見がされています。近年では、地震計や地殻変動の記録を調べることによって、地球の表面だけでなく内部についても色々な事が明らかとなってきました。 現在、私たちはWegener の時代とは比較にならない膨大な地球情報を手にしています。地球については理解尽くされてしまったのでしょうか?そんなことはありません。地球に関する理解が進む一方、新たな問題が明らかとなってきました。例えば、海溝型地震・津波が超巨大になる要素は何か、地球磁場ななぜ逆転するのか、生物大量絶滅はなぜ起きたのか、などの根源的な問題はまだ理解されていません. 我々が手にする情報の量は膨大なだけに、例えば地震計の記録一つとっても、まだ誰にも注目されていない現象も多く残されています。本ゼミナールでは、最新のデジタル地球データを駆使して、その特徴が語る地球の歴史や未来の姿を描き出します。新しい規則性の発見や、斬新な仮説がこのゼミナールから生まれることを期待します。 (目標) ○ 「どのようになっているか」を知るため,情報を収集・分析するスキルを身につける. ○ 「なぜそのようになっているか」という問題意識を持ち,解決に向けて取り組む姿勢を身につける. ○ グループで問題設定,情報共有,議論を行い,考えをまとめるグループワークを経験する. 31635 火 1 授業の目標・概要 大学での研究、世界へ向けた成果の発信の流れを学ぶとともに、天然物合成、触媒化学、生物有機化学など、薬学における有機化学の主な内容に関する講義をアクティブラーニング形式で行う。これを通じて、最先端の研究に触れるとともに、文献調査力、理解力、討論力、発信力を強化し、研究者への第一歩を踏み出すことを目標とする。 31625 木 2 授業の目標・概要 現代社会が抱える複雑で不確かさが大きな問題を解決するには、問題にグループで取り組むことが必要です。相互に尊重し合いながら「リーダーシップ」を発揮できる人になるには、継続的な訓練が必要です。 受講生は,原発事故を例題に,大きなグループによる科学的な調査研究を模擬的に体験してもらいます。 この講義の最終的なゴールは、福島第一原子力事故に関する最新の科学的知見を国際社会に発信するためのシンポジウムのプログラム案を提案してもらうことです。原発事故は、人によって捉え方が大きく異なるデリケートな問題です。また、工学だけでなく文理両方の幅広い学問分野にまたがる問題でもあります。一つのシンポジウムで領域を包絡することはできませんが、なるべく多くの人が関心のある論点を整理し、かつそれに対して様々な背景に基づく意見が展開され、新しい気付きが関係者全体に共有されることが望ましい姿です。 このように、社会的な影響が大きな問題を科学的に取り扱うには,概ね次のようなステップを繰り返すことが必要です。 1) そもそも,誰のために,何を知る必要があるのかを関係者全員で話し合って合意すること 2) 利用可能かもしれないデータや,知識を持っている人,それが入手できる時期を把握すること 3) 各自の責任範囲や,得意な領域を踏まえて,役割分担を決め、それを調査・研究すること 4) 定期的に研究成果を持ち寄って意見交換すると共に,全体計画を軌道修正すること 5) 今はグループに入っていない関係者にも情報を広げて,必要に応じて加わってもらうこと 授業では1~5のステップを順に体験します。 国際シンポジウムは「発表会」ではなく「コラボレーション」の場です。この授業で取り上げるリーダーシップとは、良いコラボを生み出す力だと思ってください。授業を通じて、そのために必要な、調査・分析・コミュニケーション等のスキルを身に付けます。 31626 木 2 授業の目標・概要 飛行機や宇宙機において,重力に反して高速で飛行するためには,機体重量や強度,推進性能などが厳しく要求され,システムの成立には.限界近くまで極限まで無駄を無くすのに加え,様々な制約条件に対して最適化される必要があります.航空宇宙工学プロジェクトにおいて,対象とするシステムにおいては多くの物理や工学が融合し,力学,流体力学,制御工学,推進工学,材料力学,構造力学などを含む総合工学のアプローチが必要となります.そのため,プロジェクトにおいては,それら全体を俯瞰することに加え,様々な要素の役割が重要であり,各機能を統合しシステムを構築していきます.プロジェクト(グループ)内のマネジメント,要求の調整,各要素のインターフェース調整およびディスカッションが必須です.本講義義においては,航空宇宙工学につながるトイプロブレムとして,ペットボトルを用いた水ロケットやペーパーブリッジといった軽量構造体に関する二テーマに関して,様々な制約条件下においてミッション(課題)を設定し,計画策定,スケジューリング,基本設計,詳細設計,試験(実践・計測),結果検証,改善案の考察を行います.グループワークとして課題に取り組み,役割分担,課題解決にあたり背景にある物理や現象の調査,課題抽出,コンセプトの策定,設計および製作方針に関してディスカッションを行い,各段階において計画や経過についてプレゼンテーションを行い,課題等に対して議論し,解決し,実践いたします.その結果を評価し,発表し改善していくことを目指します. テーマ①:水ロケットプロジェクト テーマ②:ペーパープリッジプロジェクト 地球の鼓動を聴いてみよう 薬学を支える有機化学の貢献と役割 エンジニアリング入門 西田 究 川島 茂裕、金井 求 村上 健太 中谷 辰爾、水口 周 地震研究所 薬学部 工学部 工学部

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