2022Sシラバス
64/364

初年次ゼミナール理科 中 純一 時間割曜限 コード グループ2 1年 理一(9,12,14,20,39)理二三(6,8,15,20) 31618 火 1 授業の目標・概要 <授業の概要> これまで材料科学分野で未解決の課題や将来こんな材料があればといった課題設定に対して調査し議論することで教科書に載っていない問題や社会的意義についてまとめプレゼンテーションを行う。教員から設定された以下の3つのサブテーマに対し、その背景から問題の抽出や発展させるための研究方法などグループに分かれ調査・討議し、最終プレゼンテーションをグループごとに行う。 <サブテーマ> サブテーマ1「生物に学ぶ機能性高分子材料」 ・人類は古くから自然や生物にヒントを得て材料を開発してきました。近年の分子生物学やナノテクノロジーの進展は生物の分子レベル・ナノレベルでの理解を大きく深めたため、生物模倣技術も新展開を迎えています。本サブテーマでは生物に学ぶ機能性高分子材料の開発例を調査した後、どのような未来材料が考えられるかを議論します。 サブテーマ2「ナノメートルしかないモノをどうやって測る?」 ・電子デバイスはナノメートルのサイズで加工されて高集積化されて動作していますが,これを支えているのは,原子や分子のスケールで正確に構造を制御する材料科学です。この講義ではナノメートルの厚さで形成された材料を正しく評価する様々な測定手法について,その測定原理と装置の仕組みを学び,実際にナノメートルのサイズが正しく計測できることを体感してもらいたい。 サブテーマ3「ものづくりから考える健康診断」 ・糖尿病患者が合併症を引き起こさないためには日頃の血糖値を自己管理する必要があります。また、アレルギーの発症は乳幼児で最も高く、その検査には多くの血液を採取する必要があります。このような自身の健康状態を診断するために様々なテクノロジーを駆使したバイオセンサが使われ、金属、半導体、高分子といった特徴ある機能を持った材料が使われています。本サブテーマでは、ものづくりの視点に立って健康診断の現状と課題について議論したい。 31619 火 1 授業の目標・概要 古代ギリシャの哲学者たちが 「万物の根源・原初的要素は何者か?」と問い,「土・水・空気・火」と答えた数千年前から,素粒子物理学は人類共通の興味の対象であり続けている.その深遠な問いに対する答えをみつけるために,研究者たちは実験的に検証をするための道具(加速器,検出器,計算機)の性能を向上させ続け,実験的データとして記録・解析し,新しい人類共通の知として成果をまとめ,再解釈してきた. この繰り返しにより,特に過去40年間,素粒子物理学の研究は急速な進歩を遂げ,素粒子の相互作用についての理解,初期宇宙に関する知見(科学的な推論を含む)を得てきた.「ヒッグス粒子の発見」は,2012年夏に成し遂げられた歴史的なイベントで,翌年,ノーベル賞が授与された.これをきっかけに,素粒子物理学は次の大きな問いに挑戦するスタートラインに立ったところである. これまでの素粒子物理学が理解してきた世界,そこで使われる道具の原理,今後 どのような問いがあって どのようなアプローチをかけていくのか? 授業中のやりとりを通じて,これらの事を理解し,また,それらのことが 意外と少数の基本原理から理解できることを実感できる様にしたいと思う. 31620 火 1 授業の目標・概要 【授業の概要】 磁気浮上は,将来の高速鉄道への応用に関して注目を集めています.磁気による安定な浮上を実現する代表的な方法として,電磁力と制御技術の使用,超電導,反磁性効果などが知られています.電磁場を直接的に利用した現象である磁気浮上を通じて,目に見えない電磁場を体験的に理解することができます.本ゼミナールでは,科学おもちゃや,カエルを磁気浮上させた実験,超電導体など,様々な磁気浮上現象を題材として,磁気浮上の原理や,安定な浮上を実現する条件を考察します.磁場分布の測定も行い,電磁場を可視化することによって,理解を深めます.小グループに分かれて,グループ毎に題材を選んで理論的検討や実験を行い,その結果を発表します.電磁気学は,理科系の広い分野と関係しており,本ゼミナールで身につけた電磁気学の理解や,現象をモデル化する技法は,様々な場面で役に立つことが期待されます. 【授業の形態】 本授業は「体験」を目的とすることから、対面で実施します. 【授業の目標】 ・自らの力で課題を定義し,それを解決するプロセスを体験する. ・物理学の理論を,実際の問題の解決に活用するための応用力を養う. ・現象の本質を抽出して単純なモデルで表現し,その振る舞いを考察する技法を身につける. ・自分の考えをまとめて分かりやすくプレゼンテーションする能力を身につける. 講義題目 ナノバイオ・ディープテック ヒッグス粒子のみつけかた 体験で学ぶ電磁気学 担当教員 坂田 利弥 石野 雅也、奥村 恭幸、田関野 正樹 所属 工学部 素粒子物理国際研究センター 工学部

元のページ  ../index.html#64

このブックを見る