初年次ゼミナール文科 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 「伝統文化」というと、「古くさいもの」「昔からずっとこのままにあるもの」と思う人も多いでしょう。しかし、どんな「伝統」も、「昔のまま」ではありません。そして、はじまりは、流行の最先端。それが、さまざまな偶然、必然、さまざまな人々の努力により、何百年もの時を超えて生きてきたのです。 日本の場合、最近の大きな変化は、近代にありました。 西洋文化が一気に流入し、人々の価値観を激変させることが求められたからです。たとえば、歌舞伎は江戸文化の象徴として目の敵にされましたが、西洋のオペラを目指し、三倍もの集客数を誇り、「近代化」した大きな劇場を作り、それに合わせた演出を行うなどして、生き残りをはかりました。日本全国で愛好されながら、卑猥、低俗な習慣として、盛んに禁止令が出された盆踊りは、清く正しく美しい伝統であることを標榜するなどして、各地で生き残りが試みられました。茶道は、主要な担い手を男性から女性へと変化させながら拡がっていきました。 本講義では、みなさんそれぞれに関心のある伝統文化ーたとえば、能や歌舞伎と言った舞台芸術、茶道、華道などの伝統芸能、盆踊りや祭りなどの地域の芸能など、なにか一つを選んで、そうした伝統の近現代における「変化」を見つめていきたいと思います。 みんさんそれぞれの「変化」を寄せ集める中で、私たちがどこから来て、どういう「今」を生きているか見つめ直すことも大きな目標です。 【学術分野】 歴史学 国文・漢文学 【授業形態】ディシプリン型 フィールド型 文献批評型 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 障害(disability)と社会的マイノリティについて哲学的に考えることを目標とする。哲学的に考えるということは、必ずしも哲学者の文献に依拠して考えるということを意味するのではなく、根拠にもとづきながら根本的に考えるということを意味している。(もちろん哲学者の文献に依拠しながら考えることも含まれる。)障害とは何か、社会的マイノリティとはどのような事態を指すのかを、授業参加者の発表と討論を通して考えていく。発表にあたっては、テーマとなる障害と社会的マイノリティに関する多様な視点を意識すること、とりわけ当事者の視点を意識することを重視する。また討論においては、授業参加者の間に様々な視点や捉え方があることを尊重し、討論を通じて新たな視点が生まれることを目指したい。 発表テーマについては、障害(身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、認知症)もしくは社会的マイノリティ(性的マイノリティ、エスニックマイノリティ、貧困など)に関連するテーマを自由に選択する。発表内容に関しては、概念分析、歴史分析、関連する政策の政治哲学的分析、社会構造の分析、障害と社会的マイノリティに関わる人間関係の分析などが考えられる。発表をグループ発表とするか個人発表とするかは、第3週に相談したい。 【学術分野】哲学・科学史 【授業形態】文献批評型 31722 水 2 授業の目標・概要 【共通目標】 31723 水 2 授業の目標・概要 【共通目標】 伝統の現在について考える 障害と社会的マイノリティを考える 沖本 幸子 石原 孝二 国文・漢文学 哲学・科学史
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