2022Sシラバス
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初年次ゼミナール文科 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 本授業は、学術的活動の第一歩としての個人発表、討議を経て、最終論文を仕上げることを目的とする。 そのために掲げる共通テーマは〈旅〉である。本授業はあえて、狭い学問分野のディシプリン(学術的訓練)の第一歩を授けることを目的としない。その代わり、ある共通テーマから各人がいかに、自分の将来進みたいと希望する分野に近い個別の研究テーマを導き出し、それについての先行研究を探索調査して読み込み、そこからいかに自分の「論」を立て、わずかな一歩でも先行研究に新たな知見を加える「論文」をかけるかーーそのすべての営みを体験する。その途中で、小論文を仕上げる手前の段階として、(論文内容についての)個別発表を行い、互いに学術的批評と議論を行い、それを自分の論文制作の糧とする。 〈旅〉から導き出される学術研究の参考具体例としては、「夏目漱石の満洲旅行の意味」「地方観光行政と外国人旅行者」「昭和時代における四国巡礼」「大航海時代の船旅」「テレビ旅番組の功罪」「藤田嗣治のメキシコ滞在と壁画制作の関連」「パリ表象と異文化理」「自転車で旅すること」「観光都市長崎の課題」「草津温泉とスポーツツーリズム」「インナートリップとは何か」ーーなど(以上、あくまでも例示)、実際には各自の関心に応じて、実の幅広い分野や地域、時代などを扱うことができるだろう。 本授業の参加希望者には、上記の様な具体的テーマがすでに決まっていることを条件としない。むしろ多くの仲間と語り合い、学術的思考方法を積極的に学ぶ中から、何かの探究していこうとする意欲ある参加者を期待する。 【学術分野】文学、比較文化論、芸術論、社会学、社会史、歴史文化論など。 【授業形態】ディシプリン型 時間割曜限 コード デジタル版『渋沢栄一伝記資料』で歴史学のグループ5 1年 文一二(13,21,24-25)文三(5,8,20) 31720 水 2 授業の目標・概要 【共通目標】 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 2024年から1万円札の顔となることもあって、渋沢栄一がちょっとしたブームになっているようだ。渋沢について語るべきことは数多くあるが、歴史学の研究という点でいうと、その生涯に関わる史料の重要部分がデジタル化されている稀有な存在であることを、まず挙げねばなるまい。 この授業の目標は、そのデジタル版『渋沢栄一伝記資料』を活用することにより、歴史学の作法を体験することにある。それにより、本を読んでお勉強する歴史から、史料を読んで考える歴史学の扉を開こうという試みである。 具体的には、デジタル版『渋沢栄一伝記資料』に触れることからはじめ、ほかの史料なども照合していくことで、受講生がそれぞれの研究課題を導く。次いで先行研究を探索して参考にしながら自らの議論を構築し、報告する。さらにその際に受けた批評に応えつつ、小論文へとまとめる。 『渋沢栄一伝記資料』を取り上げるのは、オンライン授業に転換したり、あるいは図書館等の利用制限などがかかった場合の影響が比較的少ないことに加え、なんといっても、渋沢栄一という人物の多面性によるところが大きい。実業家として知られる渋沢だが、慈善活動などを通じて、経済以外のさまざまな領域にも関わった。官僚の経験もあり、論語に一家言あるなど、多彩な人物である。そうした人物が残した史料とあなたの関心事がどう歴史研究と切り結ぶのか、この授業で実践してみようではありませんか。 【学術分野】歴史学 【授業形態】ディシプリン型 31721 水 2 授業の目標・概要 【共通目標】 講義題目 扉を開いてみる 〈旅〉をめぐる学問的射程 ――あなたの出発のために 担当教員 山口 輝臣 今橋 映子 所属 歴史学 フランス語・イタリア語

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