2022Sシラバス
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初年次ゼミナール文科 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 人文・社会科学を学ぶ上で最も基本的かつ重要な作業は、本や論文を読むということです。では本を読む、とは一体何をすることなのでしょうか。単に自身にとって利用価値の高い情報を入手することなのでしょうか。自身の人生にとっての教訓を見つけることなのでしょうか。あるいは筆者の主張を発見し、それを記憶することなのでしょうか。この授業では、本(テクスト)を読むという根本的作業の意味を検討します。具体的には、テクストを文脈(コンテクスト)の中に位置づけ、そのコンテクストの中でテクストの発話的意図や意味を読解するという作業の訓練を行います。また、テクストが初発のコンテクストを離れて別のコンテクストに置き換えられたとき、そのテクストがいかなる新たな意味を帯びるのかについて考えます。総じて、本を読むという作業は、多元的に織り成されるコンテクストの中でテクストを創造的に読解することであるという姿勢を身に着けることを目標とします。 本授業では、以上のようなテクストとコンテクストが形成する螺旋的連関を、20世紀における最も著名な歴史学者の一人であり、草創期国際関係論を担った人物でもあるE.H.カーの『危機の二十年』(原著1939年)と『歴史とは何か』(同1961年)を通じて学びます。今日まで読み継がれている『危機の二十年』と『歴史とは何か』ですが、もともとはどのような政治的・文化的・言語論的コンテクストの中で書かれたのでしょうか。カーは誰に向かって、あるいはいかなる現象を念頭に執筆し、語っていたのでしょうか。そして、それらはどのように読まれたのでしょうか。その読まれ方は、カー自身が込めた意味や意図を正しく反映したのでしょうか、あるいはどのように違っていたのでしょうか。読まれ方、解釈のされ方が読者や時代によって異なっているとしたら、それはなぜなのでしょうか。なぜ、著者自身の意図と異なった読まれ方が許容されるのでしょうか。このような疑問を導きの糸として、『危機の二十年』と『歴史とは何か』を読解していきます。なおこれら2冊は、今後大学で学ぶ中で幾度もその名前や中身に出くわすことになると思います。その意味で、人文・社会科学的教養の一つでもあります。 本授業は、主に歴史や政治・社会思想史、国際関係論に関心のある学生を念頭に置いています。ただし限定はしません。 【学術分野】社会・社会思想史、国際関係 【授業形態】文献批評型 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 マーティン・ウルフやダイアン・コイルのような著名な経済ジャーナリストの英文記事を読解し,議論します。英文読解の技術および内容の解説をおこない,現在の世界の政治経済をどのようにとらえるべきかを考えます。 【学術分野】法・政治 経済・統計 社会・社会思想史 国際関係 【授業形態】文献批評型 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 現代の国際社会が直面するさまざまな問題のうち、紛争と介入をめぐる諸議論をとり上げ、文献を読み、批判的に検討しながら、学術的な論文の書き方と議論のあり方を学ぶ。主観的・直感的に「正邪」を議論するのではなく、事実関係を整理し、既存の議論をふまえた上で、「自分の」議論を説得的に展開できるようになることがこの授業の目標である。 【学術分野】法・政治 【授業形態】ディシプリン型 本(テクスト)を読む、とは何をすることなのか ―E.H.カー『危機の二十年』・『歴史とは31745 金 1 授業の目標・概要 【共通目標】 31746 金 1 授業の目標・概要 【共通目標】 31747 金 1 授業の目標・概要 【共通目標】 何か』を題材に— 紛争と介入をめぐる諸問題 馬路 智仁 高見 典和 岡田 晃枝 社会・社会思想史 経済・統計 教養教育高度化機構

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