2022Sシラバス
37/364

初年次ゼミナール文科 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 近代以降、西洋社会では飛躍的に技術が進歩すると同時に、様々な問題が生じますが、環境問題もそのひとつです。自然環境保護が重視される現在、東洋的な「自然」と「人間」の関係が注目を浴びるようになりました。環境倫理学の分野では、西洋社会が解決できなかった様々な問題の答えを、儒教・仏教・道教の思想の中に見出そうとする傾向が見られます。ただし、前近代の東洋の社会においては「環境」あるいは「環境倫理学」という概念は見られません。それでは何故改めて東洋に注目するのでしょうか。古くから発達した文明を有する中国は、常に「開発」に向き合ってきたと言えます。また、たとえば儒教は、天の祭祀や、山や川をまつるための祭祀を細かく規定します。祭祀のあり方を儒者が議論する際、「自然」とはどのような存在であり、どのように「人間」が向き合うべきかという問いを避けることはできません。この授業では、まず西洋における環境倫理学の歴史を俯瞰した上で、科学・技術の歴史もふまえながら、西洋そして東洋において「自然」や「人間」という概念が、どのように論じられてきたのかを確認し、これからの私たちに必要な環境倫理とはどのようなものかを考えたいと思います。 【学術分野】哲学・科学史 【授業形態】文献批評型 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 北一輝『国体論及び純正社会主義』(1906年)を読み、よくわからない事項については自分で調べ、さらに演習の時間中にほかの人々と議論し、最終的に関連する課題を発見してそれについてレポートを書けるようになることを目指す。文章は難しく、書かれている内容には承服しがたい点も多いが、主張やその背景について調査や考察を深めることにより、人文社会科学のみならず自然科学についても多様な知識を得ることができる。将来どのような学問分野に進んでも、この本一冊を読み終えた経験は、重要な礎となるものと期待できる。 【学術分野】哲学・科学史 【授業形態】文献批評型 大学では「問い」の「答え」を探求する前にまず「問い」自体を自分で見つける必要があるという点を理解し、学ぶ姿勢の根本的な転換を目指す。授業を通じて「問い」の立て方、「理論」についての考え方、「研究方法」の設定の仕方、学術資料の収集の仕方、議論の根拠の導き方、論述の組み立て方などのアカデミックスキルに触れ、それらを習得する。また、自分が取り組む「問い」が学術的・社会的に意義のある「問い」であることを主張する必要性を理解する。 「問い」の「答え」を導くに当たって必要な、先行研究の理解とオリジナリティの主張の方法(剽窃の防止を含む)、議論と根拠の関係などといったより基礎的な作法および図書館などの研究リソースの利用方法を、第2回の合同授業で学ぶ。 【この授業の目標・概要】 情報通信技術(ICT)と地理情報技術(GPSなど)の発達・普及に伴い、多種多様なものの地理的位置を特定し、地図で表現することが重要視されるようになった。一方、物事を「地図で見えるようにする」ことには様々な社会的・倫理的問題がある。また、誰もが「地図による可視化」の恩恵にあずかれるとは限らない。 この授業では、地理学・地図学・地理情報科学の立場から、世の中に存在する様々な地図(新聞、雑誌、テレビ、ウェブサイトなどで目にする地図)について批判的に思考し、「地図で見せる」ことの社会的・倫理的含意について考える。具体的には、担当教員による地図批評に関する講義、受講生による研究テーマの設定、先行研究のレビュー、地図批評の実践(必要に応じてフィールドワークを実施)、それらの結果に関する報告と討論を行う。最終的にそれらを踏まえて小論文を作成してもらう。 【学術分野】人文地理学 【授業形態】ディシプリン型・フィールド型 「自然」と「人間」をめぐる東西の環境倫理北一輝『国体論及び純正社会主義』(190631704 月 4 授業の目標・概要 【共通目標】 31730 水 4 授業の目標・概要 【共通目標】 31731 水 4 授業の目標・概要 【共通目標】 思想 年)を読んで調べて議論して書く。 地図から社会を考える 田中 有紀 岡本 拓司 田中 雅大 東洋文化研究所 哲学・科学史 人文地理学

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る