2022Sシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 。 S 時間割コード 全学自由研究ゼミナール 31777 授業の目標概要 本授業は、新型コロナ禍による未曾有の経済危機に直面している世界情勢の中で、極めて厳しい状況下にあるわが国経済社会が今後発展していくための方途を探ること、特に2050年を目指してカーボンニュートラルを実現していくための課題を分析すること、及び経済社会のあらゆる分野に活用され始めており近い将来において人間の職を奪い去るのではないかと懸念されているAIの躍進の状況下においてAIに負けない人材になるための課題解決能力の向上を図ることを目的としています。 1.電気、石油、ガスの三大エネルギーは、経済社会に定着して必要不可欠なものとなっており、現代生活においては、いつでも簡単に使えるものとして空気のような、あって当たり前のような存在になっております。しかし、東日本大震災において、これらエネルギーの経済社会における重要性が再認識されました。すなわち、これらエネルギーが無くなると経済社会は立ち行かなるということです。 以降、国を挙げてエネルギー問題の議論がなされて来ております。マスコミなどを通じて表に出ているのは原子力発電の議論が中心に感じられますが、本問題は、わが国経済社会の在り方のみならず、わが国の安全保障問題にも直結する重要課題であり、実際はもっと幅が広くかつ奥が深い議論がなされております。同時に国際的に地球環境問題も重要課題として議論がなされており, 再生可能エネルギーの開発が進んでおります。エネルギー問題と地球環境問題は表裏の関係にあり、密接に関連して議論がなされております。一昨年菅政権は、2050年に向けてカーボンニュートラルを実現していく方針を打ち出しましたが、これは我が国経済社会のシステムを抜本的に変革させるものであり、人々のライフスタイル、価値観、文化までも大きく変化させるものであります。この実現に向けて経済社会のあらゆる分野で脱炭素に向けた取り組みが始められましたが、どれも簡単な課題ではなく、総合的に対応していく必要があり、国が国中の英知を集めて将来ビジョンを創り、その具体的実施を官民協力して進めることが必要不可欠であります。 2.カーボンニュートラルを実現していくためには、先ずエネルギー問題についての実情を理解することが必要です。エネルギーが無ければ、人々の生活は勿論のこと、経済社会は成り立たないのであり、エネルギーの輸入が貿易収支に大きな影響を与え、更には、エネルギーコストの上昇は、経済社会活動に大きなインパクトを与え、国に発展を左右します。加えて、エネルギー資源獲得競争は、紛争を惹起させたり、国際的軍事情勢に影響を与えるばかりでなく、原子力発電政策のあり様により世界の安全保障問題にも大きな影響を与えます。また、化石燃料によるエネルギーは地球環境問題を引き起こします。 3.国際環境エネルギー問題の扱い方如何によって今後の明るい我が国の将来像が見えてくると言っても過言ではないと思います。逆に言えば、国際環境問題に関する取り組みを間違えれば、わが国の先行きを不透明にすると言っても過言ではないと思います。 このような難しい課題を内在しているエネルギー問題について、脱炭素、すなわちカーボンニュートラルの実現を目指すということは極めて難しい課題で、エネルギー問題に上手く対応することによってクールでスマートな日本の実現を図っていくことができると思います。 4. 一方、アメリカのトランプ大統領の出現を契機に、従来正しいと信じられていた新自由主義、グローバリズム、自由貿易といった概念に疑問が呈せられております。アメリカ第一主義の名の下、保護主義的概念が台頭してきております。この背景には様々なものがありますが、一つにはアメリカがシェールガス、シェールオイルの開発生産により、エネルギーの輸入に頼る必要がなくなりエネルギーセキュリティの立場が極めて強固になったことが挙げられます。バイデン政権になり方向性に変化が見られましたが、米国内の政治状況から依然として先行きは不透明であると思います。更に脱炭素関連の技術を巡って中国の台頭が世界経済社会に大きな影響を与えかねない状況になっております。 このように今まさにエネルギー情勢等の変化によって世界の経済社会の価値観やルールに大きな変化が起きつつある重要な時期であると思います。 5.また現在世界的に蔓延している新型コロナ禍により世界的に経済状況が危機に瀕しており、それを受けて社会状況も差別が台頭するなど観覧が生じており、世界経済社会のブロック化が進展する恐れが出てきています。すなわち新型コロナの感染の拡大を抑えるためだけではなく、今後の新しい感染症の侵入を抑えるとともに他国に依存しない経済社会を志向して世界のブロック化が進む恐れがあると言えます。そのような状況下において各国が自国の経済社会の発展を図るためにはエネルギーの安定的確保が必要不可欠で、今後ますますエネルギー確保をめぐる競争が激化する可能性が高いと思われます。このような厳しい状況下においてカーボンニュートラルを実現していくためには解決すべき課題が山積しております。 6. そこで、本講義は、経済社会の帰趨を左右する国際環境エネルギー問題の実情を説明し、近い将来に経済界、官界,政界、学会、マスコミなどにおいて我が国を支えることとなる聴講生が、そのリーダーシップをとるに当たり参考となる考え方の材料を提供することを目的とします。したがって、細かい事象やデータを覚えるのではなく、エネルギーを巡る大きな流れを理解できるよう解説をします。 経済産業省においてエネルギー行政の最前線で政策立案に携わっている若手の官僚達を議題に応じて4名程ゲスト講師として迎えて、カーボンニュートラルを実現していくための課題について、再生可能エネルギー政策などの実状と政策立案の裏話などを披露して頂きます。 また、わが国トップの再生可能エネルギー関連のスタートアップ企業の経営者の方をゲスト講師として迎えて、民間企業における実業の具体的な内容や大学在学中に起業した苦労話や成功話などを披露して頂きます。 7.更にAI、ロボットの進展により人間の仕事がAIなどに置き換わって行く可能性があると危惧されていますが、このような懸念の払拭に資するよう、人間として似コミュニケーション能力や人間らしい判断力、構想力、など人間力を磨くための方途につき解説します。これは、社会に出て活動をするに際に必要不可欠な課題解決能力の向上に役に立つと思います。 8.後半の授業において、グループディスカッションをするほか、環境エネルギー問題に限らず聴講生からの様々な質問に答える機会を設けます。 開講 国際環境エネルギー経済学「2050年カーボンニュートラル実現に向けて」 講義題目 担当教員 瀬川 浩司、松井 教養教育高度化機構 木 3 英生 所属 曜限 単位 対象 2

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