2022Sシラバス
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1年 文科 理科 2年 文科 理科 鍾 非 S 時間割コード 総合科目 C(社会・制度) 31776 講義題目 授業の目標概要 開講 経済分析の基礎:「数学的因果関係」である関数から始まるミクロ経済学・マクロ経済学・数理統計学 数学的因果関係は、y=f(x)という「関数」(一昔前の数学者だと「函数」(例えば、高木貞治)、function)によって表される。函数における因果の「極限的つながり」を示す「微分」(Δx→0,Δy/Δx,僕に言わせれば,「極限の分数」)について、(数学特有の厳密さを無視し)優雅に語ってみよう。紙幅の制限に配慮し、ほとんどの東大生にとって常識である微分の定義式を海馬に深く刻みつつ(場所とらず&面倒臭がり屋に最適)、「知的想像力」も少し働かそう(「ユーモア」という特製調味料を小さじ1/4096)。恋人を喜ばせるため、誕生日にプレゼントを贈る者(なかんずく大学生)が多い。「恋人の嬉しさ(y:果)」と「プレゼントの値段(x:因)」の間の数学的因果関係(増加関数にある数量関係)に注目したい(ただし、プレゼントの値段と嬉しさの度合いはいずれも数値化可能と仮定)。おにぎり一個に比べ、ドイツの高級車・ベンツ一台(Δx1=ベンツの値段-おにぎりの値段:大)をもらった後の恋人の嬉しさに雲泥の差(Δy1=省略:大)があることは至極当然であり、おにぎり一個と比べて幕内弁当ひとつ(Δx2=幕内弁当の値段-おにぎりの値段:小)を食べさせた後の恋人の喜びの僅かな増分(Δy2=省略:小)をも見逃さず、値段の僅差の商と比較する(Δy2/Δx2)のが、微分(正確には、「微分」に近し)。換言すれば、Δy1/Δx1は意味不明(or数学的には無意味)。もちろん、「ゼロに限りなく近づく値段の極小な増分」(Δx→0)をより精確に強調したければ、(一番安いのがおにぎりであることを考慮に入れて)やや高価な幕内弁当を二番目に安いだろう食パンに置き換えたほうが、もっと適切(ただし、食パンが高価な場合を除く)。微分の親戚は、積分(同じ事例による定義のユーモア溢れる展開は、ご想像にお任せしますよ)。本講義は、因果関係の大本を異なる角度から捉える微積分(文系の高校数学でも必修)の紹介を皮切りに、経済分析における様々な概念を、その数量的本質を深く掘り下げてしゃきっと解説。「ものの値段が上がれば、消費者はどれほど買い控えるか?」(ミクロ経済学)「一国の経済成長率が上昇すると、失業率はどう変わるか?」(マクロ経済学)「説明変数が1%上がると、従属変数はどう反応するか?」(数理統計学)などなど、ミクロ経済学(例えば「効用」)・マクロ経済学(例えば「比較静学」「動学」)・数理統計学(例えば「回帰分析」)にとって、微積分を出発点とする数量分析こそ、揺るがぬ礎。数、実数、有理数、無理数、関数、因果関係、微積分、指数関数、対数関数、行列(以上、文系の中学校・高校数学)、限界、平均、弾力性、(不)効用、価格、収入、予算制約、利潤、費用、極大(or極小)化、FOC、消費者・生産者(or企業)行動、市場、均衡(or不均衡)、価格の自動調節機能(or「(神の)見えざる手」)、競争、独占、市場の失敗、余剰、パレート最適(or効率性)、国家(or「政府の見える手」、習近平の台詞)、税、所得税、消費税、関税、公共財、モラル・ハザード、逆選択、ただのり、(不)平等、Gini係数、GDP、失業(率)、金利、貨幣、乗数効果、IS-LM曲線、金融・財政、財政赤字(黒字)、腐敗(or「政府の失敗」)、成長(率)、インフレ(デフレ)、確率、平均、偏差、偏差値、分散(標準偏差)、共分散、相関係数、最小二乗法(少なからぬ専門用語を掲げたものの、全部ではない;英文省略)といった重要な基本概念を深く掘り下げて吟味。なお、授業中に試験と似通った計算問題をも適宜出題・解答。「地に足のついた姿勢で、根掘り葉掘りわからせる」のが、方針。絡み合った複雑な事柄を平易に解説することに努める。「脳筋(≈知性)」をとことん鍛えるのにこだわった授業を心掛ける。たとえば、成長率の表し方(マクロ経済学)を紹介するとき、なぜ「e(Napier’s Number)」という無理数をbaseとする指数関数(exp x)およびその「いとこ」にあたる自然対数(ln x)が決定的に重要であるかを、「逆関数」という指数関数と対数関数の関係にさかのぼって証明していく。一昔前、数学をほとんど使わぬ統計学のテキストを書いたある先生が、本のタイトルを「涙なし・・・」(ただし、詳細は未確認)とした。それと正反対の意味で、「涙・・・」を否定せず、講義のサブ・タイトルを「嬉し涙ありの経済分析」としてもなかなか興味深い。教育者の着眼点や意図が異なる、大層有益な意見対立だからだ。文系レベルの高校数学に強いアレルギーさえなければ、誰もが興味津々に受講可能。もちろん、理系受講生や数学を得意とする者を決して飽きさせない(恐悦至極)。一年生も二年生も他学部生もPEAK生も聴講生も大歓迎(出席自由;計算のプロセスを重視)。テキスト(分量多し、全部読まなくていい。土産)、レジメ(テキストの一部=試験範囲;全部必読)、過去問(詳細な解答を含む)はITC-LMS(Information Technology Center-Learning Management System)にて公開(閲覧するには、履修登録が必要)。思えば、ノーベル賞経済学者Paul Anthony Samuelson(neo-classical synthesis:新古典派総合)は名著Foundations of Economic Analysis(経済分析の基礎)の扉に、「Mathematics is a language」という、彼が尊敬していた数学者・物理学者・物理化学者Josiah Willard Gibbs (1839-1903)の言葉を引用した。本講義を通じてその素朴にして興味深い言葉の醍醐味を少しでも味わっていただければ幸い。世間にありふれた「物知りクイズ」(僕は大いに疑問)と一味、二味も違う、頭の体操でもある「IQクイズ」(地頭のみで考えるクイズ)を、授業の翌日にネット出題(自信のある者は答えをzhongf@hotmail.co.jpまで送信)、翌々日にITC-LMSで正解発表(&正解者表彰)。クイズを一問出題しよう(偏差値41):「コロナ禍」とかけて、「数列の極限」ととく。その心は?答え:収束。ガイダンスの「こころ」(本質)を興味深く理解するには、初回quizの醍醐味をじっくり味わうのが、大前提。地頭のみで考えよう(以下の記述を、物知りクイズの達人(典型は「東大王」)にプレゼントする。「因果関係」という前述のキーワードを踏まえて言えば、「物知りクイズ」は「果」のみを追い求める無味乾燥な暗記作業に過ぎず、「因あっての果」や両者のつながりを理路整然と究明するのが、IQクイズ(初ゼミのシラバス参照)。AI(人工知能)が日進月歩しているなか、生身の人間の存在価値を端的に示すIQ指数を高めよう。博覧強記≠頭脳明晰。 授業科目名 現代経済理論 担当教員 所属 曜限 経済・統計 金 5 対象

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