2021Aシラバス
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1年 文科 2年 文科 1年 文科 2年 文科 1年 文科 2年 文科 時間割コード 時間割コード 時間割コード 基礎科目 人文科学 基礎科目 人文科学 50125 A 講義題目 授業の目標概要 想像力とは、ある対象が存在していないにもかかわらずそれを直観する心的能力のことを言う。 50442 A 講義題目 授業の目標概要 西洋哲学の基礎を、その原典に即しながら学ぶ。具体的には、古代ギリシアの哲学者アリストテレスの『ニコマコス倫理学』と、西洋中世の哲学者トマス・アクィナスの『神学大全』を中心に、基本的なテクストを抜粋し、日本語で丁寧に読解していく。関連する範囲で、他の哲学者のテクストも読解する。 50126 A 講義題目 授業の目標概要 本シラバスを入力している2021年7月31日現在、日本は新型コロナウイルス感染症の猛威の渦中にある。既に1年半に及び行方も不明なコロナ禍にあって、最も軽視されているのは人々の「死」であるように思われる。日本でも既に1万5千人以上の者が死亡しており、そこには1万5千以上の悲しみがあるにもかかわらずである。しかし、顧みれば、こうした死の軽視は今に始まったことではなく、脳死や安楽死・尊厳死の推進政策の延長線上での事態ではあるまいか。 そこで本講義では、現況の基点をなす脳死と安楽死・尊厳死の問題を主題として、死について倫理的かつ多角的に考える。そして講義の終盤では、レベルを一段上げて、M.フーコーやG.アガンベンが論じた「生権力」と「死権力」の問題を扱い、さらに「人間の尊厳」について考察する。 脳死と安楽死・尊厳死はもとより、死そのものに関して、自分の倫理的思考を錬磨することを目指す。そして、それを通じて、そもそも「倫理」とは何かを省みることを大目標とする。 開講 授業科目名 開講 授業科目名 開講 授業科目名 想像力について考える──自閉スペクトラム症、他者、現代社会 この能力は近代の哲学において極めて大きな役割を果たしてきた。少なからぬ数の哲学者がこれを論じてきたし、特に20世紀には大きな注目を集めた概念であったと言える。ところが、一九八〇年代頃からであろうか、この概念は急激にその魅力を失っていった。いまでは論じられることの少ない概念になってしまった。 だが、現代はむしろ想像力の理論をこれまで以上に求めているように思われる。理由は少なくとも二つある。 1)現代社会において、人間は、その平均的な想像力のキャパシティーを優に超える行為を為しうるようになっている。行為が想像力を追い越していると言ってもよい。自宅近くの店でチョコレートを買うという行為は、児童労働を許す遠くの国に手を貸す行為となりうるが、そのようなことを想像することは困難である。ボタンを一つ押しただけで、インターネットを経由して情報を世界中に同時に送り出すことができるが、そのことを知っていることと、その事態を想像できることは別である。絶え間なく、自らの想像力を超え出る仕方で行為し続ける我々の想像力の可能性と限界をどう考えたらよいだろうか。 2)現在、自閉スペクトラム症(ASD)の研究が進む中で、その経験の内実が明らかにされつつある。そこから分かってきたのは、これまで人間の標準的な知覚構造として当然視されていたものが、実は脆弱であること、そしてそれは他者を通じて社会的に発生し、また維持されているということである。そして知覚構造は想像力と強い関係を持っている。知覚構造は見えていないものを想定すること(たとえば奥行きを想定すること)を求めるが、それを助けるのは想像力だと考えられるからである。現在のASD研究は人間主体に関するこれまでの哲学理論を塗り替える可能性がある。 本講義は現在のASD研究を出発点とし、その哲学的含意を現代社会との関連において捉えるべく、近代の哲学史を参照する、そのようなものである。講義の内容は目下進行中の担当者の研究プロジェクトであるから、仮説の部分も多く、また十分な結論にも辿り着いていない。出来上がったものを披露するタイプの講義ではなくて、研究している途中のものを共有するタイプの講義と考えていただきたい。 講義では何人かの哲学者の理論を参照するが、前提知識は必要ない。そのたびごとに各理論について説明を加える。したがって、講義は一つの問題を巡って展開するものであるが、参加者は最終的に哲学史についてのある程度の知識を獲得することができる。取り上げる予定である哲学者は次の通りである。 イマニュエル・カント/G・W・F・ヘーゲル/エトムント・フッサール/マルティン・ハイデガー/ジークムント・フロイト/ハンナ・アレント/ジャック・ラカン/ジル・ドゥルーズ/ジャック・デリダ/ジョルジオ・アガンベン/木村敏 死をめぐる生命倫理 哲学Ⅱ 哲学Ⅱ 哲学の原典を読む 倫理Ⅱ 担当教員 哲学・科学史 月 3 國分 功一郎 担当教員 哲学・科学史 火 5 山本 芳久 担当教員 小松 美彦 哲学・科学史 月 3 所属 曜限 所属 曜限 所属 曜限 対象 対象 対象

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