*この授業で「法」として取り上げるのは、主として「私法」(私人間の関係を規律する法)です。 ・その理由は、この「私法」に、どの社会にでもある社会規範一般や倫理道徳とは大きく異なる、法の固有の特徴がみられるからです。 ・授業では、皆さんの素朴な疑問、直感的に感じる違和感・疑問を尊重し、重要な手がかりとしたいと思います。 ・そこから、一つずつ疑問を解消し、上述の3つの主題について明晰な理解を得られるように、授業ではできるかぎり分かりやすく説明していきます。 ・しかし、それは素人万人がただ受講しさえすればわかるような内容ではありません。 ・皆さんが、以下で示す作業をして、自分の頭で考えて、感じて、主体的に授業内容を消化吸収するように取り組むことが前提になっています。 ・それをせずに授業内容を理解できるということは一切保証されません。 ・授業の準備作業を欠かさずに自分で行い、授業に主体的に参加して質問・意見を述べることを強く求めます。 ・授業の進め方 ・この授業では、皆さんに授業前の事前準備作業をお願いします。 ・毎回事前に示されるQuestion Sheetを読み、指示された文献資料を読み、その内容についての質問・意見をあらかじめ用意してください。 ・毎回授業(Zoomオンラインで行います)は、そのQuestion Sheetに対する皆さんの質問に答える形で進めます。 ・この授業は、皆さんの積極的な授業参加を強く求めます。 ・毎回授業のトピックについての説明は、基本的にはすでにQuestion Sheetの中に示されています。 ・毎回オンライン上の対面授業は、その内容について不明な点、疑問点を解消するためものもとして位置づけられます。皆さんの授業トピック内容理解を一層深めるための議論の場となります。 *事前準備作業をせずに授業だけ出席しても、何を話しているのかわからないことになるでしょう。 *毎回授業のトピックは、全体として、一つ一つ理解が積みあがっていくプログラムになっています。授業トピックのどこかを飛ばすと、そのあとの理解がとてもしづらくなりますのでご注意ください。 ・授業のほかに、毎週オフィスアワー(オンライン)を設けます。 ・ぜひ機会を活用して、授業では聞けなかったこと、授業の後に復習して疑問が生じた点などを質問して、理解を深めてください。 ・授業準備作業について ・授業準備作業の中心は、Question Sheetを読み、その指示に従いながら、文献資料を自分で読んで検討することにあります。 ・この授業では、皆さんに、特に古典(後述のリストをご参照ください)をとりあげて、それらに触れてもらいます。 ・法や政治・デモクラシーがどのような問題にかかわって、どのように解決しようとしてきたか、それのどこに問題・限界があるのか、を理解するには、古典を読むのが良策の一つです。 ・授業(Question Sheet)は、そうした古典を読むための読書案内・ガイドの役割を担います。 ・取り上げる古典著作の質は保障されていますので、ぜひこの機会に、皆さんもその読解にチャレンジしてみてください。 ・授業についての詳しい紹介・説明 ・ITC-LMS上にできるだけ早く公開しますので、9月以降随時チェックしてください。 ・9月22日13:15からオンラインで、授業ガイダンスを実施する予定です。こちらの詳細についても、後日ITC-LMSでご案内します。 ・皆さんへのお願い(夏休みの宿題) ・Aセメスターで法II授業を受講するに際し、夏休み中に以下の本をぜひ読んでおいてください。 ・木庭顕『誰のために法は生まれた』朝日出版(2018年) ・著者が、中高生を対象として行った授業をもとにしたものです。 ・法(や政治・デモクラシー)は、どのような問題にかかわって、何を解決しようとしてきたのか、それを皆さんが感覚的に理解してもらうために、有益な本でしょう。 ・この本の中で取り上げられている文学作品もぜひあわせて読んでください。 *特にこの本の1-70頁および、そこで取り上げられている映画『近松物語』(溝口健二監督)は、この法II授業全体の準備作業として必ず読んでください。 ・9月上旬には、法II授業の資料のためのGoogle Driveフォルダを用意する予定です。 ・そのフォルダに、この本の一部分のコピーPDFをアップロードする予定です。 ・もしこの本の調達が何らかの事情で難しいという方は、それまで今しばらくお待ちください。 ・ジェイクスピア『ロミオとジュリエット』 ・版はいずれでもかまいません。(授業で参照する際には、白水社Uブックスの頁を指示しますが、この版でなければいけないというわけではありません。むしろできれば、原文を読んでください。インターネット上、Amazon Kindleなどで簡単に入手できます。) ・この授業全体の主題①について考えてもらうために、この本を挙げました。 ・ロミオとジュリエットの恋愛はなぜ成就しなかったのでしょうか?どのような条件が備わらなければ、それは成就しないのでしょうか? この点を考えてみてください。 ・マルセル・モース『贈与論』 ・この授業では、マルセル・モース(森山工訳)『贈与論 他二篇』岩波文庫(2014年)を参照します。 ・この「贈与論」は、この授業全体の主題①②③いずれを考える際にも大変重要な手がかりを提供してくれるものです。 ・この著作を取り上げる理由は、第一に、私たちの社会に存在する個人の自由を抑圧するメカニズム(の一端)はどのようなものか、この著作に述べられている具体例から皆さんが感覚的にイメージしてもらうこと、そして第二に、そのメカニズムの特徴の理解を深めること、にあります。 ・この授業中では何度もこの著作に言及します。特に、第2回授業では、この著作を取り上げて、詳しく検討します。 *この著作も9月上旬にGoogle Driveフォルダにアップロードする予定です。(分量が多いので、重要箇所についてマーカー・コメントを付して、皆さんの読書のサポートになるようにします) ・このほかに授業で取り上げる著作 ・第3回以降の授業で取り上げます。余裕のある方は、更に以下の古典も読んでみてください。 エウリピデス「トロイアの女」、ソフォクレス「アンティゴネー」、ソフォクレス「ピロクテテス」、シェイクスピア『ヴェニスの商人』、バルザック「ゴプセック」 ホッブス『市民論』、ホッブス『リヴァイアサン』、ロック『市民政府論』、スピノザ『神学・政治論』 カント「世界市民という視点からみた普遍史の理念」、カント「永遠平和のために」、カント「理論と実践」、カント「人基礎科目 社会科学
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